アイデンティティー【identity】
1 自己が環境や時間の変化にかかわらず、連続する同一のものであること。主体性。自己同一性。「—の喪失」 2 本人にまちがいないこと。また、身分証明。
アイデンティティー‐クライシス【identity crisis】
自己喪失。若者に多くみられる自己同一性の喪失。「自分は何なのか」「自分にはこの社会で生きていく能力があるのか」という疑問にぶつかり、心理的な危機状況に陥ること。
愛(あい)は惜(お)しみなく奪(うば)う
《「愛は惜しみなく与う」をもとにした言葉》人を愛するということは、相手のすべてを奪って自己のものにしようとすることである。有島武郎が評論「惜みなく愛は奪ふ」で主張。
あじ‐かん【阿字観】
仏語。密教で、阿字に自己を含めて一切の事象をおさめ、一切がそれ自体において本来、生滅がないという理を観ずる瞑想法。
圧力(あつりょく)を掛(か)・ける
1 圧力を加える。 2 自己の意に従わせようとして、権力・財力・武力などで相手を圧迫する。「無言の—・ける」
飽き飽き
⇒あきる(飽きる)飽き飽きする 〔退屈する〕be bored ((by, with));〔うんざりする〕 《口》 be fed up ((with))彼の長談義には飽き飽きしたI was bor...
あきあきする【飽き飽きする】
〔退屈する〕be bored ((by, with));〔うんざりする〕 《口》 be fed up ((with))彼の長談義には飽き飽きしたI was bored (to death) b...
灰汁
I〔木炭を漉こしたアルカリ液〕lye;〔野菜の〕a sharp [an acrid, a bitter] taste; an alkaline flavor;〔肉などの〕scum肉汁のあくをすく...
暗示
〔示唆〕(a) suggestion, a hint;〔手掛かり〕a clue暗示する suggest; hint; give [drop] a hint; provide [give] a c...
あんじてき【暗示的】
thought-provoking暗示に富んだ論文a thought-provoking paper彼の暗示にかかったI was influenced by his suggestion./I...
じぶん【自分】
[共通する意味] ★何かをする当の本人。[英] self; oneself[使い方]〔自分〕▽自分のことは、自分で決めろ〔自分自身〕▽自分自身を大切にしなければならない〔自己〕▽自己の生き方を考...
じこ【自己】
[共通する意味] ★何かをする当の本人。[英] self; oneself[使い方]〔自分〕▽自分のことは、自分で決めろ〔自分自身〕▽自分自身を大切にしなければならない〔自己〕▽自己の生き方を考...
おのれ【己】
[共通する意味] ★何かをする当の本人。[英] self; oneself[使い方]〔自分〕▽自分のことは、自分で決めろ〔自分自身〕▽自分自身を大切にしなければならない〔自己〕▽自己の生き方を考...
じぶんじしん【自分自身】
[共通する意味] ★何かをする当の本人。[英] self; oneself[使い方]〔自分〕▽自分のことは、自分で決めろ〔自分自身〕▽自分自身を大切にしなければならない〔自己〕▽自己の生き方を考...
じこまんぞく【自己満足】
[共通する意味] ★望みを達して満ち足りること。[英] satisfaction[使い方]〔満足〕(名・形動)スル▽今の暮らしにじゅうぶん満足している▽欲望を満足させる▽満足なできぐあい▽満足感...
うしゅうのまじわり【烏集之交】
カラスががやがや集まる意から、噓うそが多く実体のない表面上だけの集まり。また、自己の利益だけを目的につきあう集団。
えこうほつがん【回向発願】
仏教で、自己の積んだ功徳を他者にも振り向け、極楽往生を念願すること。
かくぶつちち【格物致知】
物事の道理や本質を深く追求し理解して、知識や学問を深め得ること。『大学』から出た語で、大きく分けて二説ある。宋そうの朱熹しゅきは出典を「知を致いたすは物に格いたるに在り」と読んで、自己の知識を最大に広めるには、それぞれの客観的な事物に即してその道理を極めることが先決であると解釈する。一方、明みんの王守仁おうしゅじん(王陽明)は「知を致すは物を格ただすに在り」と読んで、生まれつき備わっている良知を明らかにして、天理を悟ることが、すなわち自己の意思が発現した日常の万事の善悪を正すことであると解釈している。他にも諸説ある。▽「致知格物ちちかくぶつ」ともいう。
けいちょうふはく【軽佻浮薄】
考えや行動などが軽はずみで、浮ついているさま。▽「軽佻」は落ち着きがなく、よく考えないで言動するさま。「浮薄」は浮ついて軽々しいさま。信念がなく他に動かされやすいさま。「佻」は「窕」とも書く。
けんしょうじょうぶつ【見性成仏】
本来もっている自分の本性・仏心を見きわめて悟ること。すべての人が本来的に仏であることが体感としてつかみうることをいう。▽仏教語。特に禅宗の語。「見性」は自己の本性を見きわめること。
ありしま‐たけお【有島武郎】
[1878〜1923]小説家。東京の生まれ。有島生馬(いくま)・里見弴(さとみとん)の兄。「白樺」の創刊に参加。大正12年(1923)「宣言一つ」に自己の立場を表明したのち、愛人と情死。作「或る...
イェリネック【Georg Jellinek】
[1851〜1911]ドイツの法学者。従来の絶対主義的君主主義に反対し、国家の自己拘束の理論を掲げ、人権の確立に努めた。著「一般国家学」など。エリネック。
えん‐ばい【袁枚】
[1716〜1797]中国、清代の文人。字(あざな)は子才。号は簡斎・随園老人。詩は格式にとらわれず、自己の性情を自由に表現すべきものと性霊(せいれい)説を主張。食通としても知られ、「随園食単」...
かじい‐もとじろう【梶井基次郎】
[1901〜1932]小説家。大阪の生まれ。胸を病みながらも冷静に自己を凝視し、鋭敏な感覚的表現で珠玉の短編を残した。「檸檬(れもん)」「城のある町にて」「冬の蠅」など。
かむら‐いそた【嘉村礒多】
[1897〜1933]小説家。山口の生まれ。苦渋に満ちた生活を送る自己の姿を赤裸々に描いた典型的な私小説作家。著「業苦」「崖の下」「秋立つまで」「途上」など。
血糖値検査の目的
糖尿病の有無をチェック 血液中に含まれる血糖の量を示す値を血糖値といいます。血糖を調べる検査にはいくつかの種類がありますが、一般の健康診断や人間ドックで調べられるのは、「空腹時血糖値」と「HbA1c」です。いずれも高血糖、すなわち、糖尿病の有無を調べるために行われます。 空腹時血糖値は、その名のとおり、空腹の状態のときの血糖値を調べる検査です。食後は食事の影響を受けて、誰しも血糖値が上昇します。その後、インスリンが働いて、通常、食前などの空腹時には血糖値は下がります。しかし、糖尿病でインスリンの作用が低下していると、ブドウ糖が代謝されず、血糖値が高い状態がいつまでも続きます。そこで、空腹時血糖値の検査を受けるときは、9時間以上絶食したのちの空腹時に血液を採取し、血糖値を測定します。通常は、検査前日の夜から飲食を控え、翌日の朝に採血します。 血糖の状態を調べるもう一つの検査が、「HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)」です。血糖値が高い状態が長く続くと、血液中の赤血球の成分であるヘモグロビンにグルコースが結合し、グリコヘモグロビンを形成します。これが、HbA1cです。 赤血球の寿命は約4カ月といわれ、その間ヘモグロビンは体内を巡り、血液中のブドウ糖と少しずつ結びついていきます。つまり、血糖値が高い状態が長く続いていればいるほど、HbA1cも多くなるということです。 血液中のHbA1cは、赤血球の寿命の約半分くらいにあたる時期の血糖値を反映するといわれ、過去1~2カ月の血糖の状態を推定できることになります。HbA1cは、空腹時血糖値同様、採血して調べますが、食事の影響を受けないので、いつでも検査することができます。 血糖値が範囲を超えて上昇する要因としては、インスリンの分泌不足、あるいはインスリンの作用低下があげられます。健康な人では、一定濃度のインスリンが常に分泌されており、作用も安定しています。食後は血糖値が少し上昇しますが、インスリンの分泌も増加し、その働きによって血糖値は正常範囲を超えて上がらないようになっています。 ところが、インスリンの分泌量が少なかったり、分泌されるタイミングが悪かったり、インスリン抵抗性といって、分泌されたインスリンがうまく働かなかったりすると、血糖値は正常範囲を保てなくなります。このような状態はⅡ型糖尿病といい、日本人の糖尿病のほとんどがこのⅡ型糖尿病です。Ⅱ型糖尿病の原因には、遺伝的素因に加えて過食、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣が大きくかかわっているといわれています。 また、糖尿病には、インスリンがほとんど分泌されないⅠ型糖尿病というものもあり、こちらは一種の自己免疫疾患であり、遺伝的体質が深く関係していると考えられています。 高血糖や糖尿病は、それ自体は命にかかわる病気ではありませんが、糖尿病のもっとも大きな問題点は合併症です。糖尿病の合併症は、細小血管合併症と大血管合併症の2つに大きく分けられます。 細小血管合併症には、「糖尿病性網膜症」、「糖尿病性神経障害」、「糖尿病性腎症」の3つがあり、高血糖によって細い血管の壁が破壊されておこります。いずれも糖尿病特有の合併症で、三大合併症と呼ばれています。 大血管合併症は、動脈硬化に由来するものです。糖尿病は動脈硬化の危険因子の一つであり、高血圧や脂質異常症、肥満などと相まって、動脈硬化を促進します。 結果、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患の引き金となります。 さらに、糖尿病で血糖コントロールの悪い人は、肺炎、腎盂腎炎、壊疽などのさまざまな感染症にもかかりやすくなります。 また、糖尿病の領域には至らなくとも、境界域にある人も合併症には要注意です。とくに食後2時間血糖値(ブドウ糖負荷試験)が境界域にある人(IGT=耐糖能異常)は、動脈硬化が進みやすく、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まります。
血液検査の目的
血液一般検査では、血球成分を構成する赤血球や白血球、血小板などの状態を調べます。 赤血球数 血液中の赤血球の数を調べる検査です。貧血や脱水症状があると赤血球の数に変化が現れます。 血色素測定(ヘモグロビン) 赤血球による酸素運搬は、このヘモグロビンが行っています。血色素測定とは、ヘモグロビンの量を調べる検査です。貧血や脱水症状があるとヘモグロビンの数が変化します。 ヘマトクリット値 ヘマトクリット値とは、一定量の血液に含まれる赤血球の容積の割合を調べる検査です。貧血や脱水症状があると異常値を示します。 白血球数 免疫機能で重要な役割を果たしているのが白血球です。炎症や感染、外傷、あるいは白血病などがあると白血球の数が増加します。ただし、ストレスや筋肉運動、食後、妊娠など、生理的な原因で増加することもあります。 血小板数 血小板には、粘着力と凝集力があり、出血時には血管壁にくっつき、出血を止めるはたらきをしています。血小板の数によって出血傾向を確認することができます。 血清には、体内で行われる生命活動を支えるためにたんぱくやコレステロール、糖、電解質が一定量含まれています。これらの量を調べるのが血液生化学検査です。 血清総たんぱく 血清総たんぱくは、たんぱくの量を調べる検査です。血清中のたんぱくは、ほとんどが肝臓でつくられているため、肝臓が正常に機能しているかを知ることができます。また、腎機能の低下も調べることができます。 血清鉄 からだの各組織へ酸素を運搬するヘモグロビンを構成する成分の一つに、血清鉄があります。血清鉄の量を調べることで貧血の原因が出血あるいは鉄の摂取不足によるということが推測できます。 アルブミン 血清総たんぱくの成分のうち約60%がアルブミンです。アルブミンはあらゆる病気で減少し、その減少の具合から病気の程度がわかります。 血清学検査では、体内でおこっている炎症が感染症によるものなのか、あるいは免疫異常によるものなのかなどがわかります。そのため、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、ウイルス感染による病気などの診断に用いられます。 検査項目としては炎症反応があるかどうかを調べる「CRP」、B型肝炎を調べる「HBs抗原」、C型肝炎を調べる「HCV抗体」、梅毒の有無を調べる「梅毒反応」などがあります。
骨・関節の異常(骨粗鬆症/関節リウマチ/脱臼/捻挫)
骨・関節に生じるトラブルの代表は、「骨粗鬆症」と、複数の関節に左右対称の関節炎を引き起こす「関節リウマチ」です。どちらも、中高年に多くみられます。 骨を硬く充実させている骨塩(リン酸カルシウムなど)は加齢とともに減少していきます。その減少が過度に進んで、骨の中身がスカスカになり、骨折しやすくなった状態が骨粗鬆症です。 骨粗鬆症の影響が、早い時期から現れるのが"脊椎骨"です。身長が縮んだり、腰痛がおきたり、背中や腰が曲がるなどの症状が現れ、進行すると、上半身の重みで脊椎に圧迫骨折がおきることもあります。また、つまずくなど、ちょっとしたことで大腿骨や手首、腕の付け根を骨折することもよくあります。 骨粗鬆症は、閉経後の女性に多くみられます。これは女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減少し、骨吸収がすすむためです。 今もなお原因解明の途上にある病気ですが、自己免疫による炎症が関与していると考えられています。 関節は関節包という「袋」で覆われています。その内側にある滑膜という部分から関節をスムーズに動かすための関節液が分泌されています。この滑膜に炎症がおこると、滑膜が増殖して軟骨や骨を侵食して破壊してしまい、やがて関節全体が変形して、その機能が障害されていきます。 炎症が進行、悪化すると骨の破壊や関節機能の障害はもとより、心臓、肺、腎臓などの器官への合併症を引き起こすこともあります。 関節組織には骨と骨が向かい合っている面があり、この面の位置関係が外的な力や病的な原因で本来の状態からずれてしまった状態を「脱臼」といいます。 外力により発生する脱臼を「外傷性脱臼」といいます。全身の関節でおこりますが、主に肩鎖(けんさ)関節、肩関節、肘(ちゅう)関節、指関節など上肢の関節に多くみられます。 病的な原因の脱臼は、化膿性関節炎などが原因で関節内に膿がたまってしまい、関節包が過度に伸張した状態になったり、慢性関節リウマチで靱帯や関節包がゆるんでしまうとおこります。 また、一度脱臼をおこした関節は、支える組織の修復が不十分な場合、軽微な外力で脱臼を繰り返してしまうことがあります。これを「反復性脱臼」といいます。 脱臼の症状は、弾発性固定(関節が動かない)、関節部の変形や疼痛、腫脹(しゅちょう)を伴います。発生頻度は青・壮年に高く、小児や高齢者では比較的低くなっています。小児や高齢者の骨は青・壮年に比べて硬度が低く、外力が働いた場合に脱臼ではなく骨折をおこすためと考えられています。 捻挫は、関節が可動域を超える運動をしいられて、一時的に偏位する(一方に偏る)ことによっておこります。 骨と骨をつないでいる関節は、衝撃が集まりやすく障害を受けやすい部位です。具体的には、関節を包む関節包や、関節を補強する靱帯が損傷します。 関節は動かせる範囲が決まっており、継続して力のかかる動きには弱いため、運動時に限らず日常生活でも捻挫はよく引き起こされます。"むち打ち症""突き指"などは日常生活でおこる捻挫の代表例です。 捻挫をおこすと、患部に熱感や腫脹、痛みなどを伴う炎症が発症します。損傷が重度のケースでは、骨折や靱帯断裂があり、これらは放置すると、運動障害や関節の軸変形になる可能性があるので、自己判断に頼らずに初期の診断をしっかりと行う必要があります。 また、発生部位が日常よく使う関節ということもあって、痛みや腫れが軽くなると治療を中途半端で止めてしまいがちです。しかし、関節を構成している靱帯や関節包、周囲の筋肉は回復しておらず、結果、関節周囲の支持が弱まり何度も同じ部分の捻挫を引き起こすことも少なくないので、注意が必要です。