アイスランド‐ていきあつ【アイスランド低気圧】
北大西洋のアイスランドを中心とする海域に、ほぼ定常的に存在する大きな低気圧。太平洋のアリューシャン低気圧と同じく、亜寒帯低圧帯に属す。冬に最も発達し、夏は中心がやや東に移動して分裂し、カナダのバ...
アインシュタイン‐ほうていしき【アインシュタイン方程式】
アインシュタインが一般相対性理論から導いた、重力場についての方程式。重力による時空の歪(ゆが)み(曲率)は、物質またはエネルギーの場によって定まることを示す。ニュートンの万有引力の法則では適用で...
あかんたい‐ていあつたい【亜寒帯低圧帯】
大気大循環で亜寒帯の上昇気流がある地域。亜熱帯高圧帯の極側に位置し、ほぼ定常的に低気圧が存在する。北半球ではアリューシャン低気圧、アイスランド低気圧が属し、南半球では大陸の影響が少なく、帯状にな...
アクアポリン【aquaporin】
細胞膜に存在するたんぱく質の一つ。水分子を選択的に通す細孔を持ち、細胞への水の出入りに重要な役割を果たしている。哺乳類では13種類が知られ、グリセロールや尿素などを通すものもある。AQP(Aqu...
アクシオン【axion】
クオーク同士を結びつける強い相互作用を説明する量子色力学において、その存在が予想される未発見の粒子。また、宇宙論における冷たい暗黒物質の候補の一として挙げられている。アキシオン。→アクシーノ
圧迫
I〔押し付け(られ)ること〕pressure胸に圧迫を感じて目が覚めたI woke up feeling pressure on my chest.ベルトが腹を圧迫して苦しいThe belt i...
あっぱくする【圧迫する】
〔しいたげる〕oppress;〔重くのしかかる〕weigh heavily ((on));〔抑制する〕suppress権力による圧迫oppression by the authorities言...
在る
1〔存在する〕be, exist;〔生きる〕liveかごの中にりんごがあるThere are some apples in the basket.君は神が本当にあると思うかDo you thin...
居る
1〔存在する〕be; exist小屋に牛が1頭いるThere is a cow in the shed.幽霊は本当にいると思うかDo you really think ghosts exist?...
疎ましい
repugnant彼女には彼の存在[癖]が疎ましくてならなかったShe could not stand him [his habits].
きょうぞん【共存】
[共通する意味] ★二つ以上のものが同時に存在すること。[英] coexistence[使い方]〔共存〕スル▽肉食獣と草食獣とが共存する▽自然とうまく共存する▽平和共存〔併存〕スル▽一つの職場に...
そんざい【存在】
[共通する意味] ★人間や事物があること。[英] existence[使い方]〔存在〕スル▽あの建物は現代では貴重な存在だ▽その風習は今なお存在している▽存在意義を失う〔所在〕スル▽責任の所在を...
しょざい【所在】
[共通する意味] ★人間や事物があること。[英] existence[使い方]〔存在〕スル▽あの建物は現代では貴重な存在だ▽その風習は今なお存在している▽存在意義を失う〔所在〕スル▽責任の所在を...
へいぞん【併存】
[共通する意味] ★二つ以上のものが同時に存在すること。[英] coexistence[使い方]〔共存〕スル▽肉食獣と草食獣とが共存する▽自然とうまく共存する▽平和共存〔併存〕スル▽一つの職場に...
げんそん【現存】
[共通する意味] ★人間や事物があること。[英] existence[使い方]〔存在〕スル▽あの建物は現代では貴重な存在だ▽その風習は今なお存在している▽存在意義を失う〔所在〕スル▽責任の所在を...
いっぴつまっさつ【一筆抹殺】
すべてを消し去ること。帳消しにすること。よく考えることなく、軽率に過去の美点や功績をすべて消し去ってしまうこと。▽「抹殺」は消してなくす、塗り消す意。人や物事の存在を否定すること。「殺」は助字。
ういてんぺん【有為転変】
この世のすべての存在や現象は、さまざまな原因や条件によって常に移り変わるものであり、少しの間もとどまっていないこと。また、この世が無常で、はかないものであるたとえ。▽もと仏教語。「有為」は因縁(原因や条件)によって生じたこの世の一切の現象。「ういてんべん」とも読み、また音が転じて「ういてんでん」と読む場合もある。
うむそうせい【有無相生】
有と無は、有があってこそ無があり、無があってこそ有があるという相対的な関係で存在すること。また、この世のものはすべて相対的な関係にあること。▽「相生」は互いに生じ合うこと。もとは、人間の価値観は要するに相対的なものであって絶対的なものではないのに、それを絶対的なものと錯覚して、万物を勝手に歪曲わいきょくして秩序立てている人間の愚かさと危うさを警告した『老子』の中の語。「有無うむ相生あいしょうず」と訓読する。
えんにゅうさんたい【円融三諦】
仏教のことばで、天台宗で説く三つの真理のこと。三つの真理とは、空諦くうたい(一切存在は空である)と、仮諦けたい(一切存在は縁起によって仮に存在する)、中諦ちゅうたい(一切存在は空・仮を超えた絶対のものである)であり、この三つの真理が互いに融けあって、同時に成立していること。
きもうとかく【亀毛兎角】
この世にあり得ないもの、実在するはずがない物事のたとえ。もとは戦争の起こる兆しをいった。かめに毛が生え、うさぎに角が生える意から。▽「兎角亀毛とかくきもう」ともいう。
アダムズ【John Couch Adams】
[1819〜1892]英国の天文学者。天王星の運動の不規則さから海王星の存在を推論。
アップルトン【Edward Victor Appleton】
[1892〜1965]英国の物理学者。電離層を研究して、E層の存在を立証。F層(アップルトン層とも)を発見した。1947年、ノーベル物理学賞を受賞。
あねがこうじ‐きんとも【姉小路公知】
[1840〜1863]幕末の公家。三条実美と親しく、安政五か国条約調印の勅許に反対、尊攘派公家の中心的存在となった。宮中から退出の際、暗殺された。
アングレール【François Englert】
[1932〜 ]ベルギーの物理学者。1964年に自発的対称性の破れによって素粒子が質量を獲得するという理論を提唱。同年、英国のピーター=ヒッグスが素粒子に質量を与えるヒッグス粒子の存在を提唱し、...
アンセルムス【Anselmus】
[1033〜1109]英国のスコラ哲学者。イタリアの生まれ。カンタベリー大司教。神の存在の神学的証明や、キリストによる贖罪(しょくざい)の理論化につとめ、スコラ学の父とよばれる。
花粉症の仕組みと人体への影響(スギ花粉皮膚炎)
免疫が花粉に対して過敏に反応し(アレルギー反応)、多彩な症状が現れるのが花粉症です。さまざまな植物の花粉で花粉症がおきますが、代表格は"スギ花粉"です。 スギ花粉症がわが国で初めて報告されたのは昭和30年代終盤。以来、毎春、スギ花粉に悩まされる人(とくに小児)が増加しているといわれます。その要因の一つとして、国産木材の利用低迷などにより伐採が進まず、花粉を多くつける樹齢30年以上のスギ林が増加―。スギ花粉飛散量が増えたことがあげられます。 花粉症は、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患をもつ人、あるいは家族に何らかのアレルギーがある人がなりやすいと考えられています。 また、今まで花粉症になったことがない人でも、大量の花粉にさらされると免疫が花粉に過敏に反応するようになり、花粉症を発症しやすくなります。 花粉症は、まず体内で以前侵入した花粉を"悪者"と記憶する「感作(かんさ)」という状態がつくられたところへ、新たに花粉が侵入してきた際に発症します。鼻の粘膜に花粉がつくと、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が現れます。目(結膜)の粘膜に花粉がつくと、目のかゆみや涙目、充血などの症状が現れます。大半はこのような目や鼻の症状を訴えるため、「花粉症は目や鼻の病気」と思われがちです。しかし近年、前述の症状以外に、咳や頭痛、全身倦怠感、発熱などを伴うことがあることが知られるようになり、現在、「花粉症は全身性疾患だ」と考えられています。 花粉症の多彩な症状のなかで、最近、とくに注目されているのが"スギ花粉皮膚炎"です。目の周りや頬、あるいは首の皮膚がカサカサして赤い斑点ができ、かゆみが現れます。多くの場合、ジュクジュクした湿疹にはならず、軽症のまま軽快します。また、春以外の季節には見られないことも特徴です。 スギ花粉皮膚炎は、皮膚に花粉が触れることによって発症します。本来、皮膚の一番外側にある角層が花粉などの異物を通さないバリアとして機能し、健康な皮膚が保たれていますが、乾燥などで角層のバリア機能が弱まってしまうと花粉が角層の奥へ侵入してアレルギー反応が出現、スギ花粉皮膚炎がおきる、と考えられています。 ①免疫を担う細胞の一つであるマクロファージが侵入してきたスギ花粉を食べ、「これは敵だ」という情報を、T細胞に伝える ②T細胞が、マクロファージから受け取った敵の情報をB細胞に伝えると、B細胞は「スギ特異的IgE抗体」をつくる ③抗体は粘膜などに存在する肥満細胞と合体する(これを感作という) ④再び侵入したスギ花粉が抗体と結合すると、肥満細胞から化学物質が出てアレルギー症状が出る
血液(血球)のプロフィール
血液は赤血球、白血球、リンパ球、血小板を含めた有形成分(細胞)が40~45%、液体成分の血漿が55~60%で構成されています。有形成分は、ほとんどが赤血球であり、白血球やリンパ球、血小板は1%程度しか含まれていません。 血液は心臓から血管を流れて、からだのすみずみまで酸素と栄養を運び、二酸化炭素や老廃物を回収して、再び心臓へ戻ってきます。 また、血液は体内に侵入してきたウイルスや細菌を白血球で撃退したり(免疫構造)、血管壁が破損したときに凝固して破損個所を修復したりします。さらには、各器官のはたらきを調整するための"情報伝達"の役目も担っています。 血液成分の約半分を占める赤血球は、直径6~9μm(1μm=1000分の1mm)。中央がへこんだ円盤状の細胞です。 その名のとおり赤色で、核をもたず柔軟性に富み、簡単に変形可能なため、毛細血管の薄い壁を通過できます。 からだ全体の血液中には、20~25兆個もの赤血球が存在し、酸素を運び、二酸化炭素を回収する工程を繰り返しています。主成分はヘモグロビンという鉄を含む色素です。 赤血球は約4カ月で寿命を迎え、時期がくると肝臓や脾臓で破壊されますが、ヘモグロビンは胆汁の成分、ビリルビンとして再利用されます。 白血球は無色で細胞内に核をもっています。 白血球には「顆粒球」「リンパ球」「単球」の3つの種類があります。1m3に6000個程度存在し、血流にのり全身を巡ります。 顆粒球は、好塩基球、好中球、好酸球に分かれ、それぞれが殺菌物質を放出します。 リンパ球にはヘルパーT細胞、キラーT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞があり、B細胞は体内に侵入した病原体を攻撃する抗体をつくります。 単球は不要になった細胞を取り込み、マクロファージとなって破壊するなど、外敵の侵入を感知し、攻撃します。 血小板は核のない細胞で、骨髄のなかにある細胞、巨核球の一部がちぎれた断片からできています。通常は円形をしていますが、活動するときには突起を出して形を変化させます。 血小板は損傷部分から血液の流出(出血)があると損傷部位に集まり、一時的に傷口をふさぎます。 その後、血液中のたんぱく質である"フィブリノーゲン"が糸状のフィブリンに変化し、そこに赤血球や白血球がからみついて、血液のかたまりをつくります。さらに血漿のなかにある凝固因子に働きかけて止血します。 血漿は、淡黄色をした血液の液体成分です。約9割が水分であり、そのほかは血液の浸透圧(水分)を調整するアルブミン、外敵を攻撃するグロブリン、血液凝固を助けるフィブリノーゲンなどのたんぱく質、ブドウ糖、アミノ酸、脂肪、塩化ナトリウム、イオンなどで構成されています。 主に、水分、塩分、無機質などの栄養やホルモンを溶かし込み、必要な場所まで運んで栄養として与え、そこから老廃物を引き取るはたらきをします。
血液を生み出す骨の作用
骨の中心部には、骨髄腔(脊柱管)と呼ばれる空洞があります。この骨髄腔のまわりには、スポンジのような隙間のある組織があり、そこに赤い色をした骨髄が詰まっています。これが血液の生成にかかわり、別名造血器官と呼ばれる、「赤色骨髄」です。なお、骨髄には黄色い骨髄、すなわち黄色骨髄というものもあります。これは、赤色骨髄が脂肪の増加により黄色くなり、造血機能を失った骨髄です。 赤色骨髄が血液の生成にかかわる所以は、"血球芽細胞"がつくられているからです。 血液中には、酸素を運搬する赤血球をはじめ、止血を担う血小板、体内に侵入したウイルスなどを排除するしくみ-免疫を担当する白血球などの血液細胞が含まれていますが、血球芽細胞は将来、これらすべての血液細胞になりうる能力をもった細胞です。 血球芽細胞はさまざまな因子の作用を受け、赤血球、血小板、白血球などに変化し、血液中に流れ出ていきます。 骨は成分の約6割をリン酸カルシウムや炭酸カルシウム、リン酸マグネシウムなどの無機塩類で占めていますが、発育に伴って長く太く成長していきます。 骨の端を「骨端」、上と下の骨端に挟まれた部分を「骨幹」といいます。子どもの骨には上下両方の骨端と骨幹の境目あたりに、軟骨が集まった成長軟骨層が存在します。この部位の軟骨は増殖しながら、やがて骨に置き換わります。これによって骨が長くなるのです。 一方、骨膜にある骨芽細胞は、骨膜の内側に新しい骨をつくり、骨を太くしていきます。 この2つのメカニズムにより、常に新しい骨がつくられ成長していくのが骨の新生です。 では、骨の新生以前にあった古い骨はどうなるのかというと、破骨細胞という細胞が破壊します。 骨の新生と破壊、相反する細胞がバランスよく働くことで骨は新陳代謝を図り、常に再構築されています。成長期においては新生が上まわるため骨を成長させているわけです。 骨折の直後には、骨の血管から出血した血液が固まり、折れた骨の隙間を一時的に埋めます。その後、折れた部分の骨膜に骨芽細胞が集まり、増殖して網目状になり、仮骨(線維組織)をつくります。この仮骨がカルシウムの沈着で徐々に硬くなり、破骨細胞により再吸収され、元の形状に修復されます。