なま・し【生し】
[形シク] 1 なまである。新鮮である。「—・しき鯛はいみじき物ななり」〈今昔・二八・三〇〉 2 十分に熟練していない。未熟である。「衆生の機—・しき時は感応なし」〈沙石集・二〉
なり‐かえ・る【成り返る】
[動ラ四] 1 もとのようになる。もとどおりになる。「今めかしくも—・る御有様かな」〈源・若菜上〉 2 裏返る。ひっくり返る。「さを鹿のしがらみふする秋萩は下葉や上に—・るらむ」〈拾遺・雑下〉 ...
ぬか【額】
1 ひたい。「黒がねの—はありとも帰りてエリスに何とかいわん」〈鴎外・舞姫〉 2 ぬかずくこと。礼拝。「暁の—など、いみじうあはれなり」〈枕・一一九〉
はは‐みやすどころ【母御息所】
母である御息所。「—もいといみじく嘆き給ひて」〈源・若菜下〉
はぶり【葬り】
《「はふり」とも》遺体をほうむること。葬送。ほうむり。「親いみじく騒ぎて取り上げて、泣きののしりて—す」〈大和・一四七〉
ば‐こそ
[連語]《接続助詞「ば」+係助詞「こそ」》 1 活用語の仮定形(文語では已然形)に付く。あとの説明を成立させるのに十分な理由を、前に提示する意を表す。「親子なれ—情愛も深いのだ」「これをいみじと...
ひか・る【光る】
[動ラ五(四)] 1 光を放つ。また、光を反射して輝く。「蛍が—・る」「星が—・る」 2 美しく輝く。また、つやや光沢がある。「灯火に—・る黒髪」「ひじの—・ったジャケット」「磨いて—・っている...
ひき‐い・ず【引き出づ】
[動ダ下二] 1 「ひきだす1」に同じ。「御文とて—・でたれば」〈落窪・一〉 2 事件などを引き起こす。「さるまじき過ちを—・でて」〈源・柏木〉 3 引き出物として贈る。「又いみじき御車(みくる...
ひと‐ぢか【人近】
[形動ナリ]近くに人のいるさま。「かかる(葬送ノ)ありさまは—にていみじきだになほいと悲しきに」〈栄花・峰の月〉
ひと‐ま【人間】
1 人のいない間。人の気づかぬすき。「—にも月を見ては、いみじく泣き給ふ」〈竹取〉 2 人との交わりが絶えること。「少し契りのさはりある、—をまことと思ひけるか」〈謡・女郎花〉