おもい‐は・つ【思ひ果つ】
[動タ下二] 1 そうだとはっきり判断する。最後に思い当たる。「宮なりけりと—・つるに、乳母(めのと)言はむ方なくあきれてゐたり」〈源・東屋〉 2 思い切る。あきらめる。「(源氏ヲ)つらき方に—...
おもい‐はな・つ【思ひ放つ】
[動タ四]思いをきっぱり捨てる。ふりきる。愛想をつかす。また、あきらめる。「したり顔にて、もとのことを—・ちたらむ気色(けしき)こそ愁はしかるべけれ」〈源・末摘花〉
おもい‐はな・る【思ひ離る】
[動ラ下二]心にかけなくなる。気持ちが離れる。「あらぬ様になりなば、少しも—・れ給ひなむと、思ふなり」〈狭衣・二〉
おもい‐はばか・る【思ひ憚る】
[動ラ四]気がねする。心配する。「忍びたる御歩きに、いかがと—・りてなむ」〈源・若紫〉
おもい‐はる・く【思ひ晴るく】
[動カ下二]気持ちを晴らす。「例の気色(けしき)なる今朝の御文にもあらざめれど、なほえ—・けず」〈源・夕霧〉
おもい‐ば【思ひ葉】
触れ合い、重なり合って茂っている葉。多く男女の相愛にたとえる。「うそなしに今年二十一社、茂りたる森は—となり」〈浮・一代男・三〉
おもい‐へだ・つ【思ひ隔つ】
[動タ下二]心に隔てを置く。分け隔てをする。よそよそしくする。「二の宮—・てずおぼせ」〈栄花・根合〉
おもい‐ほ・る【思ひ惚る】
[動ラ下二]心がぼんやりする。放心する。おもいほく。「堪へがたう悲しければ、夜昼—・れて」〈源・松風〉
おもい‐まが・う【思ひ紛ふ】
[動ハ下二]思い違いをする。錯覚を起こす。「さだめなく鳥や鳴くらむ秋の夜の月の光を—・へて」〈山家集・上〉
おもい‐ま・す【思ひ増す】
[動サ四] 1 ますます恋い焦がれる。「彦星の—・すらむことよりもみる我くるし夜のふけゆけば」〈拾遺・秋〉 2 他よりよいと思う。「待てといふに散らでしとまるものならば何を桜に—・さまし」〈古今...