いる‐さ【入るさ】
《「さ」は接尾語》月などのはいる時、または、はいる方角。いりがた。多くは歌枕「いるさの山」にかけて用いる。「夕月夜—の山の木隠れにほのかにも鳴くほととぎすかな」〈千載・夏〉
うい‐だ・つ【初立つ】
[動タ四] 1 ひなが巣立つ。「郭公(ほととぎす)—・つ山をさと知らば木の間は行きて聞くべきものを」〈曽丹集〉 2 霞などが立ちはじめる。「いつしかも—・ちにける霞かなまだいとけなき春の初めに」...
鶯(うぐいす)の卵(かいご)の中(なか)の時鳥(ほととぎす)
ほととぎすは自分の卵を、うぐいすの巣の中に産んで育てさせることから、自分の子でありながら自分の子でないことのたとえ。
うのはな‐づくよ【卯の花月夜】
卯の花の白く咲いている月夜。うのはなづきよ。「五月山(さつきやま)—ほととぎす聞けども飽かずまた鳴かぬかも」〈万・一九五三〉
うづき‐の‐いみ【卯月の忌み】
1 陰暦4月の賀茂の祭に関係する者が、潔斎のため、祭りに先立って家にこもること。「ほととぎす—に忌(い)こもるを思ひ知りても来鳴くなるかな」〈山家集・上〉 2 御田植え祭りの前の物忌み。
う‐なみ【卯波】
卯月(うづき)(陰暦4月)のころ海に立つ波。卯月波。《季 夏》「四五月の—さ浪やほととぎす/許六」
うづき‐どり【卯月鳥】
ホトトギスの別名。
うけ‐ひ・く【承け引く】
[動カ五(四)]聞き入れる。承知する。同意する。承諾する。「禅師(ぜじ)様がわたくしの日ごろよりの心細い憂えをそこもとへお伝えなさいましたのを心よく御—・きくださいましたよし」〈堀辰雄・ほととぎす〉
うだ【宇多】
京都市右京区宇多野付近の地。平安時代以降は禁裏御料の狩猟地。[歌枕]「今日暮れぬ明日も狩り来む—の原枯れ野の下にきぎす鳴くなり」〈秋篠月清集〉
いもせ‐どり【妹背鳥】
1 セキレイの別名。 2 ホトトギスをいう女房詞。