こい‐あい【乞合】
能や長唄の打楽器の手法の一。大鼓(おおつづみ)と太鼓で奏するもので、太鼓が「ツクツ・ツクツ・ツク天(てん)・ツク天」と打ち、大鼓は最後の「天」に合わせて「チョン」と打つ。
こい‐あま・る【恋ひ余る】
[動ラ四]恋心が抑えきれないで外に表れる。「隠沼(こもりぬ)の下ゆ—・り白波のいちしろく出でぬ人の知るべく」〈万・三〇二三〉
こい‐う・ける【請い受ける/乞い受ける】
[動カ下一][文]こひう・く[カ下二]頼み込んで、ゆずり受ける。「珍しい切手を—・ける」「命ばかりはさりとも—・け給はんずらん」〈平家・二〉
こい‐うた【恋歌】
恋心を歌った詩歌。こいか。
こ‐いえ【小家】
小さな家。粗末な家。「暑さを避け、山近き一—を借りて」〈独歩・女難〉
こいえ‐がち【小家勝ち】
[名・形動]小さな家がたくさん建て込んでいるさま。「堀の幅の狭くなるにつれて次第に貧気(まずしげ)な—になって」〈荷風・濹東綺譚〉
こいえ‐ぎんみ【小家吟味】
江戸時代、名主が借家人・店借人の生活状態を戸別に調べること。不審者の取り締まりなどを理由とした。「—を恐れ、一人は男分に世間を立て」〈浮・一代男・二〉
こいおしえ‐どり【恋教へ鳥】
《伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)の二神がこの鳥の動作を見て夫婦の道を知ったという神話から》セキレイの古名。「あの鶺鴒(せきれい)を…庭たたき、—ともいふぞとよ」〈浄・...
こい‐か【恋歌】
「こいうた」に同じ。
こい‐かぜ【恋風】
恋心のせつなさを、風が身に染みるのにたとえていう語。「冬の夜の—ぞっと身に染て」〈魯文・高橋阿伝夜叉譚〉