あし‐ぎぬ【絁】
《悪(あ)し絹の意》太い糸で織った粗末な絹布。太絹(ふとぎぬ)。→縑(かとり)「五色(いついろ)の—一連(ひとつら)なりき」〈常陸風土記〉
ゆう‐し【遊士/游士】
1 風流人。みやびお。 2 浪人。また、志を抱いて他国を遊歴する人。「天外—の懐郷の涙なりき」〈独歩・愛弟通信〉 3 中国、春秋戦国時代、策をたずさえて抗争する諸侯を遊説し、仕官を請うた者。
然(しか)あれど
そうではあるが。しかしながら。しかはあれど。しかあれども。しかれど。しかれども。「知れる人わづかに一人二人なりき。—、これかれ得たる所、得ぬ所、互ひになむある」〈古今・仮名序〉
ぎょう‐りつ【凝立】
[名](スル)身動きもせず、じっと立っていること。「ヂドは色を喪(うしな)いて—すること少(しば)らくなりき」〈鴎外訳・即興詩人〉
こころ‐とも‐なく【心ともなく】
[連語]意識しないで。思わず。「われは—その面を見しに、この女官はイイダ姫なりき」〈鴎外・文づかひ〉
しん‐せい【新声】
1 新しい表現・意見。「いずれも明光と—と空想とに酔えるがごとくなりき」〈藤村・藤村詩抄〉 2 新しい歌。 [補説]書名別項。→新声
いわい‐ぼう【祝(い)棒】
小正月の、粥占(かゆうら)・成木(なりき)責め・嫁たたきなどの行事に用いる棒。ヌルデ・柳・栗などで作る。いわいぎ。
じ‐じょ【爾汝】
《「爾」も「汝」も、なんじの意》相手を、「おまえ」「きさま」のように遠慮なく呼び合うこと。「参謀本部に長たる某将軍とは—の間なる舅中将の話なりき」〈蘆花・不如帰〉
すっぱり
[副] 1 鮮やかにものを切るさま。すぱっと。「—(と)切り落とす」 2 思い切りよく実行するさま。きっぱり。「—(と)タバコをやめる」 3 心中にわだかまりがなく、快いさま。さっぱり。すっきり...
やく【役】
1 ㋐受け持ちの任務。役目。「仲裁の—を買って出る」 ㋑組織の中で、責任のある地位・職務。「—に就く」 2 演劇などで、俳優が扮(ふん)する人物。配役。「せりふのある—がつく」「—になりきる」 ...