あか・し【明し】
[形ク] 1 明るい。「月もいと限りなく—・くて出でたるを」〈大和・一五六〉 2 まじりけがない。心が清い。「然らば汝の心の清く—・きはいかにして知らむ」〈記・上〉
あだ‐びと【徒人】
1 浮気者。移り気な人。「この君もいとものうくして、すきがましき—なり」〈源・帚木〉 2 風流を解する人。「—と樽を棺(ひつぎ)に呑(のみ)ほさん/重五」〈冬の日〉
貝(かい)を作(つく)・る
《泣くとき、ハマグリのように口をへの字形にするところから》泣きだしそうな顔をする。べそをかく。「—・るもいとほしながら」〈源・明石〉
かこち‐よ・る【託ち寄る】
[動ラ四]かこつけて言い寄る。「言ひ寄るたよりもいとはかなければ、この君をぞ—・りけれど」〈源・蛍〉
かしこ【畏/恐/賢】
《形容詞「かしこい」の語幹から》 1 女性が手紙の終わりに添えるあいさつの語。かしく。男性の用いる「恐惶(きょうこう)謹言」などにあたる語。「あらあら—」 2 恐れ多いこと。もったいないこと。多...
きょう‐さく【警策】
[名・形動ナリ] 1 禅宗で、座禅中の僧の眠けや心のゆるみ、姿勢の乱れなどを戒めるため、肩などを打つ木製の棒。長さ1メートルほどで、先は扁平な板状。けいさく。 2 《「きょうざく」とも》 ㋐人が...
くもり‐な・し【曇り無し】
[形ク] 1 視界が明瞭である。空が晴れわたっている。「日のどかに—・き空の西日になるほど」〈源・常夏〉 2 光・色などが鮮明である。澄んでいる。「—・き池の鏡によろづ代をすむべき影ぞしるく見え...
け‐どお・い【気遠い】
[形][文]けどほ・し[ク] 1 遠く隔たっているさま。遠く離れている。「祇園祭の稽古囃子(ばやし)が流を渡って—・く聞えて来る」〈風葉・青春〉 2 人けがなくてものさびしい。「いとど狐の住みか...
こうきゅう‐じゅうにし【後宮十二司】
律令制で、後宮に関する事務を執った12の役所。内侍司(ないしのつかさ)・蔵司(くらのつかさ)・書司(ふみのつかさ)・兵司(つわもののつかさ)・闈司(みかどのつかさ)・薬司(くすりのつかさ)・殿司...
心(こころ)に付(つ)・く
(「付く」が四段活用の場合)気に入る。心にかなう。「かたちはしもいと—・きて、つらき人の慰めにも見るわざしてむやと思ふ」〈源・少女〉
(「付く」が下二段活用の場合)心を寄せる。関心をもつ。「...