乗(の)り掛(か)かった船(ふね)
《乗って岸を離れた船からは下船できないところから》物事を始めてしまった以上、中途でやめるわけにはいかないことのたとえ。
のり‐かか・る【乗(り)掛(か)る】
[動ラ五(四)] 1 上に乗って、からだを寄りかからせる。「—・って押さえつける」 2 乗り物に乗ろうとする。乗りかける。「タクシーに—・ったところをつかまえる」 3 物事をしはじめる。「—・っ...
のり‐かけ【乗(り)掛け/乗(り)懸け】
1 近世の宿駅で、道中馬の両側に明荷(あけに)という葛籠(つづら)を2個わたし、さらに旅客を乗せて運ぶこと。「通し駕籠(かご)か—で参らすに」〈浮・五人女・二〉 2 「乗り掛け馬」の略。
のりかけ‐うま【乗り掛け馬】
乗り掛けに使う駄馬。「向うより来る—の鈴の音」〈滑・膝栗毛・四〉
のり‐か・ける【乗(り)掛ける】
[動カ下一][文]のりか・く[カ下二] 1 乗ろうとする。また、中途まで乗る。「車に—・けたところで用事を思い出す」 2 乗り物などが他の物に衝突して、勢いあまってその上に乗る。「船ヲ—・クル」...
乗(の)りが◦来(く)る
乗り気になる。調子に乗る。「艶二郎いよいよ—◦きて、かれこれとするうち」〈黄・艶気樺焼〉
のり‐き【乗(り)気】
[名・形動]進んでやってみようという気になること。また、そのさま。気乗り。「縁談に—になる」「先方から—な返事がある」
のり‐きり【乗(り)切り】
1 乗りきること。「一日中ずっと車に—だった」「—の策を立てる」 2 兵法の一。敗走する敵の中に馬を乗り入れ、敵を分散させて追い討つ戦術。 3 大河などを騎馬などで押し渡ること。
のり‐き・る【乗(り)切る】
[動ラ五(四)] 1 乗ったままで向こうまで行ききる。「ヨットで大西洋を—・る」 2 困難・危機などを切り抜ける。「難局を—・る」 3 残らず乗る。また、十分に乗る。「全員バスに—・るのを待つ」...
のり‐くち【乗り口】
馬の引き方で、鐙(あぶみ)の所に下がって差縄(さしなわ)を取って引くこと。「あるは—にひかせ、あるは諸口(もろくち)にひかせ」〈平家・九〉