こころ‐の‐おに【心の鬼】
1 ふと心に思い当たる良心の呵責(かしゃく)。「かたはらいたく、—出で来て、言ひにくくなり侍りなむ」〈枕・一三五〉 2 心の奥に潜んでいるよこしまな考え。邪心。煩悩(ぼんのう)。「我はかく思ふと...
こころ‐の‐やみ【心の闇】
1 心の平静を失って、理非の分別がつかなくなること。「よもすがら月を見顔にもてなして—に迷ふころかな」〈山家集・中〉 2 親が子を思う情に引かされて迷う心。「—晴れ間なく、嘆きわたり侍りしままに...
こころ‐ふか・し【心深し】
[形ク] 1 深く慎重に考えるさま。思慮深い。「いと—・くありがたき心ゆるびも侍らず」〈宇津保・蔵開下〉 2 情が深い。人情がこまやかである。「ただ我になりてみるだに涙とどめがたく、—・く書きつ...
こころ‐まさり【心勝り】
1 予想していたよりもすぐれていること。⇔心劣り。「—しぬべきことにも侍るなるかな」〈宇津保・内侍督〉 2 容姿よりも心のすぐれていること。気丈夫。「継信は—の剛の人にて」〈浄・凱陣八島〉
こ‐さぶらい【小侍】
「こざむらい」に同じ。「大進将監貞度といふ—、付け侍りける」〈著聞集・五〉
こ‐ざむらい【小侍】
1 年の若い武士。また、身分の低い武士。こさぶらい。「—の十二、三ばかりなるがあるを召し出でて」〈宇治拾遺・一〉 2 「小侍所」の略。また、そこに属する武士。
こしおれ‐ぶみ【腰折れ文】
へたな文章。また、自作の文章をへりくだっていう語。「わづかなる—作ることなど習ひ侍りしかば」〈源・帚木〉
こし‐ぬけ【腰抜け】
1 腰の力が抜けて立てなくなること。また、その人。 2 意気地がなく、臆病なこと。また、その人。「もうあきらめるなんて。—め」「—侍」
こし‐べんとう【腰弁当】
1 腰に弁当をさげること。また、その弁当。 2 《江戸時代、勤番の下侍が腰に弁当をさげて出仕したところから》毎日弁当を持って出勤する人。下級官吏や安月給取りのこと。
こし‐もと【腰元】
1 腰の辺り。腰つき。「—がふっくらする」 2 身分の高い人のそばに仕えて雑用をする侍女。こしもとおんな。 3 身の回り。自分のかたわら。〈日葡〉