むね‐と【宗と】
[名](多く「宗徒」と当てて書く)集団の中のおもだった者。「—の若き内侍十余人」〈平家・二〉 [副]《主たるものとしての意から》 1 おもに。主として。「家の作りやうは夏を—すべし」〈徒然・...
むらさきのひともと【紫の一本】
戸田茂睡による地誌。天和2年(1682)成立。侍の陶々斎と遁世者の遺佚が訪ね歩く物語という趣向で、江戸の名所旧跡を紹介するもの。
むらむら・し【斑斑し】
[形シク]色の濃淡が一様でない。転じて、心が揺れて定まらない。「つき草の移し心やいかならむ—・しくもなりかへるかな」〈馬内侍集〉
め・す【召す】
[動サ五(四)]《「見(め)す」と同語源。ごらんになるためにお呼び出しになるところから》 1 「人を呼び寄せる」「招く」「取り寄せる」「呼び出して任ずる」などの尊敬語。「神に—・される」「御硯(...
め‐つけ【目付】
1 室町時代以降の武家の職名。室町初期、侍所(さむらいどころ)の所司代の被官として置かれ、戦国期には戦陣の監察や敵の内情を探るのに当たった。江戸時代、幕府では若年寄に属し、旗本・御家人の監察など...
めん‐めん【面面】
[名]おのおの。一人一人。各自。めいめい。「一座の—」 [代]二人称の人代名詞。対等または目下の多数の者に呼びかけるのに用いる。「—は何事をし侍るぞと仰せければ」〈仮・伊曽保・上〉
もた・り【持たり】
[動ラ変]《「もてあり」の音変化》持っている。「いとにくさげなるむすめども—・りともこそ見侍れ」〈枕・一〇四〉
もの‐おぼ・ゆ【物覚ゆ】
[動ヤ下二] 1 意識がしっかりしている。正気である。「—・えずなりて、またいみじう泣かるれば」〈かげろふ・上〉 2 物心がつく。「—・えてのち、さることをこそまだ見侍らね」〈大鏡・道長上〉
もの‐ども【者共】
[代]二人称の人代名詞。目下の者に呼びかける語。おまえたち。そのほうども。「—、油断するな」 [名]多くの人たち。人々。「内教坊、内侍所のほどに、かかる—あるはやと、をかし」〈源・末摘花〉
もの‐の‐おり【物の折】
何かの機会。また、ちょうどその機会。「—など、人のよみ侍らむにも、よめなどおほせられば」〈枕・九九〉