あいしょう‐か【哀傷歌】
1 人の死を悲しむ歌。 2 古今集以後の勅撰和歌集で、部立ての一。万葉集の挽歌(ばんか)にあたる。
あお‐つづら【青葛】
1 ツヅラフジの別名。 2 「つる」を繰るところから「くる」「くるし」「くるる」などを導く序詞を構成する語。「山がつの垣ほに這へる—人は来れども言伝てもなし」〈古今・恋四〉
あき‐ぎり【秋霧】
秋に立つ霧。「春霞かすみて去(い)にし雁(かり)が音は今ぞ鳴くなる—の上に」〈古今・秋上〉
あきしの【秋篠】
奈良市の地名。霧の名所として知られた。新古今集の歌人藤原良経の号、秋篠月清の由来地。[歌枕]「—や外山(とやま)の里やしぐるらむ伊駒(いこま)のたけに雲のかかれる」〈新古今・冬〉
あき‐た【秋田】
稲の実っている田。「植ゑて往(い)にし—刈るまで見えこねば今朝初雁の音(ね)にぞ鳴きぬる」〈古今・恋五〉
あきのきょく【秋の曲】
箏曲(そうきょく)。吉沢検校作曲。安政年間(1854〜1860)に成立。歌詞に古今集の秋の歌6首を使う。古今調子という独特の調弦。→古今組(こきんぐみ)
あき‐びと【商人】
「あきんど」に同じ。「いはば—の良ききぬ着たらむがごとし」〈古今・仮名序〉
あこや‐だま【阿古屋珠】
真珠のこと。「伊勢の海のあまのしわざの—とりての後も恋の繁けむ」〈古今六帖・三〉
あさか‐の‐ぬま【安積の沼/浅香の沼】
安積山の麓にあったといわれる沼。[歌枕]「野辺はいまだ—にかる草のかつみるままに茂る頃かな」〈新古今・夏〉
浅瀬(あさせ)に仇波(あだなみ)
《古今集・恋四の「底ひなき淵やは騒ぐ山川の浅き瀬にこそあだ波は立て」から》思慮の浅い者ほど大騒ぎをすることのたとえ。