くも‐の‐はたて【雲の果たて】
《「くものはだて」とも》 1 雲の果て。空の果て。「都をば天つ空とも聞かざりき何眺むらむ—を」〈新古今・羇旅〉 2 《「はたて」を「旗手」の意に解して》雲のたなびくさまを旗がなびくのに見立ててい...
くも‐の‐ふるまい【蜘蛛の振る舞ひ】
クモが巣をかけるさま。恋人が来る前兆であるという俗信があった。くもの行い。「わが背子が来べき宵なりささがにの—かねて著(しる)しも」〈古今・墨滅歌〉
くらい‐の‐やま【位の山】
1 帝王の位の抜き出たさまを山にたとえていう語。「すべらぎの—の小松原今年や千代のはじめなるらん」〈続古今・賀〉 2 「くらいやま」に同じ。「こ紫たなびく雲をしるべにて—の峰をたづねむ」〈拾遺・雑賀〉
くらぶ‐やま【暗部山/闇部山】
鞍馬山の古称。くらぶの山。[歌枕]「梅の花にほふ春べは—闇に越ゆれど著(しる)くぞありける」〈古今・春上〉
くれない‐の【紅の】
[枕] 1 色の美しく、浅い意から、「色」「あさ」にかかる。「—色には出でじ」〈古今・恋三〉 「—浅葉(あさは)の野らに」〈万・二七六三〉 2 紅花の汁の染料を「うつし」といい、また、紅を水に振...
けいえんいっし【桂園一枝】
江戸末期の私家集。3巻。香川景樹の自撰。天保元年(1830)刊。古今調で清新の気に富んだ983首を収める。
けいえん‐は【桂園派】
香川景樹が興した和歌の流派。古今集を重んじ、調べの説を唱えて、清新平明に歌うことを主張。→伊勢派 →江戸派
けけれ【心】
「こころ」の音変化。東国方言。「甲斐が嶺(ね)をさやにも見しが—なく横ほり伏せる小夜(さや)の中山」〈古今・東歌〉
けにご‐し【牽牛子】
アサガオの別名。けんごし。「うちつ—(=「うちつけ」ト「けにごし」「げに濃し」ヲ掛ケル)とや花の色を見むおく白露のそむるばかりを」〈古今・物名〉
こい【請い/乞い】
1 願い求めること。頼むこと。頼み。「—に応じて引き受ける」「雨(あま)—」 2 してほしいと望むこと。所望(しょもう)すること。「隣より常夏の花を—におこせたりければ」〈古今・夏・詞書〉