い‐ふ【夷俘】
奈良時代から平安初期にかけて、同化の程度の浅かった蝦夷(えぞ)の称。同化が進んだものを俘囚(ふしゅう)とよぶ。
夷(い)を以(もっ)て夷(い)を制(せい)す
《「後漢書」鄧禹伝から》外国を利用して他の国を抑え、自国は戦わずに利益を収め、安全を図る。夷を以て夷を攻(せ)む。以夷制夷(いいせいい)。
えびす【夷/戎】
《「えみし(蝦夷)」の音変化》 1 「蝦夷(えぞ)」に同じ。「その国の奥に—といふものありて」〈今昔・三一・一一〉 2 都から遠く離れた未開の土地の人。田舎者。「かかることは—、町女(まちめ)...
えびす【恵比須/夷/戎/恵比寿/蛭子】
《「夷(えびす)」と同語源》古くは豊漁の神。のち七福神の一人として、生業を守り、福をもたらす神。狩衣(かりぎぬ)・指貫(さしぬき)・風折烏帽子(かざおりえぼし)をつけ、右手に釣りざおを持ち、左わ...
えびす‐あば【恵比須網端】
漁網の中央部につける大きな浮き。愛媛県、高知県室戸岬、また島根県隠岐島などでいう。
えびす‐うた【夷歌】
1 歌曲の歌いぶりで、粗野な田舎風のもの。ひなぶり。「古今仮名序に貫之の書ける、天の浮橋の—と云ふは則ち連歌なり」〈筑波問答〉 2 狂歌。「おしなべて—大はやり」〈咄・一雅話三笑〉 [補説]古事...
えびす‐おうぎ【恵比須扇】
しめ飾りなどにつけて、新年の祝いに用いる粗末な作りの扇。伊勢国山田(三重県伊勢市)の産。
えびす‐かき【恵比須舁き】
「恵比須回し」に同じ。
えびす‐がお【恵比須顔】
恵比須のように、にこにこした顔。
えびす‐がみ【恵比須紙】
紙を重ねて裁つとき、角が内へ折れ込んで裁ち残しになったもの。福紙。