こう‐じ【好事】
1 よいこと。喜ばしいこと。 2 よい行い。 3 ⇒こうず(好事)
好事(こうじ)魔(ま)多(おお)し
《「琵琶記」幾言諫父から》よいことにはじゃまが入りやすい。 [補説]「好事、魔、多し」と区切る。
好事(こうじ)も無(な)きに如(し)かず
《「巌棲幽事」から》たとえよいことでも、それがあれば煩わしいので、むしろ何事もないほうがよい。
好事(こうじ)門(もん)を出(い)でず
《「北夢瑣言(ほくむさげん)」から》よい行いは、なかなか世間に伝わらない。 [補説]「悪事千里を行く(走る)」と対で使われることが多い。→悪事千里を走る
こう‐ず【好事】
珍しい変わった物事を好むこと。また、風流を好むこと。物好き。こうじ。「余裕ある人に共通な—を道楽にしている」〈漱石・門〉
こうず‐か【好事家】
物好きな人。また、風流を好む人。