まくら【枕】
1 寝るときに頭をのせる寝具。「—が変わると眠れない」「氷—」「ひざ—」 2 寝ている頭の方。また、頭のある方角。「東を—に寝る」 3 寝ること。宿ること。「旅—」 4 長い物を横たえるとき、下...
枕(まくら)浮(う)・く
涙で枕が浮く。枕が浮くほどに、寝ながらひどく泣く。「涙落つとも覚えぬに、—・くばかりになりにけり」〈源・須磨〉
枕(まくら)片去(かたさ)・る
枕を床の片側に寄せて寝る。また、枕の片側をあけて寝る。上代、夫や恋人を待って一人で寝るようすをいう。「ここだくに思ひけめかもしきたへの—・る夢に見え来し」〈万・六三三〉
まくら‐がたな【枕刀】
寝るとき枕もとに置く護身用の刀。枕太刀。
まくら‐がみ【枕紙】
1 寝るとき枕もとに置く紙。 2 木枕の上の小枕をおおって汚れを防ぐ紙。
まくら・く【枕く】
[動カ四]《「まくら」の動詞化》枕とする。「大伴の高師の浜の松が根を—・き寝(ぬ)れど家し偲(しの)はゆ」〈万・六六〉
まくら‐ことば【枕詞/枕言葉】
1 昔の歌文、特に和歌に用いられる修辞法の一。一定の語句に冠してこれを修飾し、または語調を整える言葉。普通は5音、まれに3音・4音などのものもある。「あしひきの」「たらちねの」「ひさかたの」など...
まくら‐さがし【枕探し】
旅客の寝ている間に、その枕もとに置いてある金品を盗み取ること。また、その者。邯鄲師(かんたんし)。
枕(まくら)定(さだ)・む
1 寝るときに、頭にする方向を定める。枕の向きによって恋人の夢が見られるとされた。「夕さればわが身のみこそ悲しけれいづれの方に—・めむ」〈後撰・恋三〉 2 男女が一緒に寝る。共寝する。「思ひのま...
まくら・する【枕する】
[動サ変][文]まくら・す[サ変]枕を用いる。また、枕として寝る。「幾人の貧しい旅人がその上に—・して眠ったか」〈藤村・春〉