たてまつり‐もの【奉り物】
1 献上する品物。みつぎもの。「百済(くだら)の—をけがしみだれりといふ」〈神功紀〉 2 《尊敬語「たてまつる」から》貴人の衣服。お召し物。「おほやけの—は、おろそかなるをもてよしとす」〈徒然・二〉
たて‐まつ・る【奉る】
[動ラ五(四)] 1 「やる」「おくる」の、その対象を敬っていう謙譲語。上位の人に差し上げる。献上する。「貢ぎ物を—・る」 2 動作の対象への敬意を失い、「やる」「おくる」をからかっていう。「...
たび‐たま・う【賜び給ふ】
[動ハ四]《下位者にくれてやるの意を含む動詞「た(賜)ぶ」に補助動詞「たま(給)う」の付いたものから。命令形が用いられる》 1 「やる」「くれる」の意の尊敬語。お与え下さる。「宝をわれに—・へ」...
た・ぶ【賜ぶ/給ぶ】
[動バ四] 1 「与える」「くれる」の意の尊敬語。「たまう」と同義であるが、与える相手を低めて、上位者から下位者へ物などをくれてやるという気持ちが強い。お与えになる。くださる。「娘を我に—・べと...
た・べる【食べる】
[動バ下一][文]た・ぶ[バ下二]《尊敬語「たぶ」(四段)に対応する謙譲語》 1 食物をかんで、のみこむ。「生(なま)で—・べる」「ひと口—・べてみる」 2 暮らしを立てる。生活する。「なんとか...
たま・う【賜う/給う】
[動ワ五(ハ四)]《上位から下位に物や恩恵を与える意から、その動作主を敬う語となる。現代では文語的な文章か、特別の堅い言い方でないと尊敬語としては用いない》 1 「与える」「くれる」の尊敬語。...
たまわ・る【賜る〔賜わる〕/給わる】
[動ラ五(四)] 1 「もらう」の意の謙譲語。目上の人から物などをいただく。ちょうだいする。「日ごろお客様からご愛顧を—・っております」「禄ども、しなじなに—・り給ふ」〈源・桐壺〉 2 「与える...
つかわさ・れる【遣わされる】
[動ラ下一][文]つかはさ・る[ラ下二]《動詞「遣わす」の未然形+尊敬の助動詞「れる」から》 1 「与える」の意の尊敬語。くださる。およこしになる。「お手紙でも—・れませ」〈洒・駅路雀〉 2 (...
つかわ・す【遣わす】
[動サ五(四)]《連語「つか(使)わす」の意味が発展して一語化したものという。3が原義であるが、後に敬意が薄れて下位者を派遣するだけの場合にも用いる》 1 目上の人が目下の者に対して人などを行か...
とう・ぶ【賜ぶ/給ぶ/食ぶ】
《「たまう」あるいは「たぶ」の音変化で、主として平安時代に用いた》 [動バ四] 1 「与える」「授ける」の意の尊敬語。上の人から下の人へ与える。お与えになる。くださる。「たまう」よりも与える相...