あと‐び【後火／跡火】
１ 嫁に行く娘を生家から送り出したあと、門前でたく火。 ２ 葬式を出したあとに門前でたく火。送り火。「—の火箸といふこと、などてか、世になきことならねど」〈枕・一四一〉
あと‐びき【後引き】
酒などをつぐとき、銚子(ちょうし)の口を伝って滴ること。また、その滴り。
あと‐びさり【後びさり】
［名］(スル) １ 「あとずさり」に同じ。「蟹なら横に這う所だが今年の気候は—をするんですよ」〈漱石・吾輩は猫である〉 ２ アリジゴクの別名。 ３ カニムシの別名。
あと‐ピン【後ピン】
写真で、ピント（焦点）が被写体より後ろにずれていること。⇔前ピン。
あと‐ふところ【後懐／跡懐】
実の親にかわって、養い親が子を大切に育てること。「—で生(お)ほし立てて、心の底までよくよく知って候」〈平家・四〉
あと‐ぶね【後船】
１ 後から入港する船。 ２ 江戸時代の劇場で、2階正面の桟敷(さじき)の後方の席。
後(あと)へも先(さき)へも行(い)かぬ
動きがとれない。どうすることもできない。にっちもさっちも行かぬ。
あと‐べ【後方／脚辺】
《古くは「あとへ」》 １ （後方）後ろの方。「鉄柵よりは数尺ばかりも、—に立ち」〈竜渓・経国美談〉 ２ 寝るときの足の方。「頭辺(まくら)に匍匐(はらば)ひ、—に匍匐ひ」〈神代紀・上〉
あと‐ぼう【後棒】
駕籠(かご)や輿(こし)の担ぎ棒の後ろのほうを担ぐ者。後肩(あとかた)。⇔先棒(さきぼう)。
後棒(あとぼう)を担(かつ)・ぐ
首謀者の手助けとして加わる。
