えんどん‐かいだん【円頓戒壇】
天台宗に入門した者に円頓戒を授ける式場。最澄没後、比叡山に開かれた。これに対し、園城寺(おんじょうじ)の開いた戒壇を三摩耶(さんまや)戒壇とよぶ。
えんりゃく‐じ【延暦寺】
滋賀県大津市坂本本町にある天台宗の総本山。山号は比叡山(ひえいざん)。延暦7年(788)に最澄が創建した一乗止観院に始まり、弘仁14年(823)、大乗戒壇の勅許とともに延暦寺の寺号を賜った。元亀...
かい‐じょう【戒場】
仏教で、僧に戒律を授ける式場。高く築く戒壇に対して、平地に設けられる。
かいだん‐いん【戒壇院】
戒壇の設けてある建物。東大寺・延暦寺などにある。
かいだん‐せき【戒壇石】
律宗・禅宗などの寺院の前に立てた石標。寺院全体を戒壇と見立てたもの。多くは「不許葷酒入山門(くんしゅさんもんにいるをゆるさず)」の句を刻む。結界石。
かいだん‐めぐり【戒壇廻り】
戒壇のまわりを仏名を唱えながらめぐり歩くこと。のちに、仏堂内陣の縁の下にあたる暗い所をめぐり歩くこと。長野の善光寺のものが有名。
かんぜおん‐じ【観世音寺】
福岡県太宰府市にある天台宗の寺。山号は清水山。院号は普門院。開創は天平18年(746)、開山は満誓。筑紫で崩じた母斉明天皇のため天智天皇が発願建立した。天平宝字5年(761)に設けられた戒壇院は...
く‐いん【九院】
比叡山にある九つの主要な堂塔。一乗止観院・定心院・総持院・四王院・戒壇院・八部院・山王院・西塔院・浄土院の九つ。
葷酒(くんしゅ)山門(さんもん)に入(い)るを許(ゆる)さず
葷酒は、心を乱し修行の妨げになるので、寺の門内に持ち込むことは許さない。禅寺の山門の脇の戒壇石に刻まれる言葉。
さん‐かいだん【三戒壇】
奈良時代、勅命によって設けられた3か所の戒壇。大和の東大寺、下野(しもつけ)の薬師寺、筑前の観世音寺のもの。