かきあげ‐じろ【掻き揚げ城】
土をかきあげて、手軽く築きあげた城。かきあげ。「おろそかに構へたる城を、—と言ふ」〈武家名目抄〉
かきあげ‐の‐き【掻き上げの木】
灯心をかきあげるのに用いる木。掻き立て棒。「灯籠(とうろ)の火の、—の端にて、や文字を消ちて」〈十訓抄・一〉
かき‐あ・げる【掻き上げる/掻き揚げる】
[動ガ下一][文]かきあ・ぐ[ガ下二] 1 ひっかくように上の方へ引き上げる。「髪のほつれを—・げる」 2 明るくなるように灯心をかき立てる。「その日の夜(よう)さり、火をほのかに—・げて泣き伏...
かき‐あつ・める【掻き集める】
[動マ下一][文]かきあつ・む[マ下二] 1 散らばっている物を、ひと所にかき寄せる。「庭の落葉を—・める」 2 手を尽くして、方々から集める。「資金を—・める」
かき‐あわせ【掻き合(わ)せ】
1 舞楽で、舞いはじめるときの手。 2 雅楽演奏の前奏曲「調子」で用いられる箏(そう)の旋律。 3 箏・琴・琵琶などの弦の調子を整えたあと、ためしに弾いてみること。また、その曲。ためしひき。「黄...
かきあわせ‐ぬり【柿合(わ)せ塗(り)/掻き合(わ)せ塗(り)】
漆塗りの一。器物に柿の渋を塗り、その上に黒・紅殻(べにがら)などの色をつけて漆の上塗りを1回だけしたもの。家具類に用いる。
かき‐あわ・せる【掻き合(わ)せる】
[動サ下一][文]かきあは・す[サ下二] 1 手で物を寄せ合わせる。「着物の襟元を—・せる」 2 箏(そう)・琴・琵琶などで、弦の調子を整えたあと、ためしに簡単な旋律を奏する。「御琴ども—・せて...
かき‐い・ず【掻き出づ】
[動ダ下二] 1 「掻(か)き出(だ)す1」に同じ。「さが尻を—・でて、ここらの公人(おほやけびと)に見せて、恥を見せむ」〈竹取〉 2 「掻き出(い)だす2」に同じ。「御髪を—・でて見給へば」〈...
かき‐いた【掻き板/攪き板】
物をたち切るのに用いる板。裁ち物をするときや、元服の儀式で冠者の髪の端をのせて切りそろえるときに使う。一説に、漆塗りの板で、書いた文字を消して何回も使えるようにしたもの。「人の家につきづきしきも...
かき‐いだから・う【掻き抱からふ】
[動ハ四]抱き合う。「わが妻、この童(わらは)と二人—・ひて臥しぬ」〈今昔・三一・九〉