じ‐う【時雨】
1 ちょうどよいときに降る雨。 2 しぐれ。
せみしぐれ【蝉しぐれ】
藤沢周平による長編の時代小説。昭和63年(1988)刊行。著者が創作した架空の藩、海坂(うなさか)藩を舞台に、少年藩士の成長を描く。
せみ‐しぐれ【蝉時雨】
多くの蝉が一斉に鳴きたてる声を時雨の降る音に見立てた語。《季 夏》 [補説]書名別項。→蝉しぐれ
そで‐しぐれ【袖時雨】
袖に涙が落ちかかるのを、しぐれにたとえていう語。袖のしぐれ。「月もかたぶく胸の闇、髪のおくれのばらばらと、子に迷ひゆく—」〈読・本朝酔菩提・三〉
そで‐の‐しぐれ【袖の時雨】
「袖時雨(そでしぐれ)」に同じ。「野山のけしき、まして—をもよほしがちに」〈源・椎本〉
そろそろと北山時雨(きたやましぐれ)
「来た」に「北山」の「きた」を掛け、そろそろやって来たということをしゃれていった言葉。→北山時雨
つゆ‐しぐれ【露時雨】
露が一面におりて時雨にぬれたようになること。また、草木においた露が、時雨の降りかかるようにこぼれること。《季 秋》「父恋ふる我を包みて—/虚子」
はつ‐しぐれ【初時雨】
その年初めて降る時雨。《季 冬》「—猿も小蓑(こみの)をほしげなり/芭蕉」
むし‐しぐれ【虫時雨】
多くの虫がいっせいに鳴く声を時雨の音になぞらえていう語。《季 秋》
むら‐しぐれ【群時雨/叢時雨/村時雨】
晩秋から初冬にかけて、ひとしきり降ってはやみ、やんでは降る小雨。《季 冬》