とき‐の‐もの【時の物】
その時節にふさわしい物。「—を食卓にのせる」
時(とき)の用(よう)には鼻(はな)をも削(そ)ぐ
急を要する大事な場合には鼻を切り落とすような手段でもとったほうがよい。危急の際には手段を選ばぬことのたとえ。時の用には鼻を欠け。
時(とき)は得難(えがた)くして失(うしな)い易(やす)し
好機はなかなかめぐってこないもので、たとえ来たにしても油断をするとすぐ去ってしまう。
時(とき)は金(かね)なり
《Time is money.》時は貴重であるからむだに過ごしてはならない。
ときはすぎゆく【時は過ぎゆく】
田山花袋の長編小説。大正5年(1916)刊。明治維新から大正初期の約半世紀の時代の移り変わりを背景に、平凡な男の半生を淡々と描く。
とき‐はずれ【時外れ】
時期にはずれていること。時節はずれ。「—の客の少い刻限を」〈里見弴・多情仏心〉
時(とき)は人(ひと)を待(ま)たず
年月は過ぎやすく、好機は失われやすいことをいう。歳月人を待たず。
ときはゆめなり【時は夢なり】
《原題、(フランス)Le Temps est un songe》ルノルマンの戯曲。初期の代表作のひとつで、初演は第一次大戦終戦直後の1919年。
とき‐めか・し【時めかし】
[形シク]全盛のさまである。「さわがしう—・しき所に」〈能因本枕・二二〉
とき‐めか・す【時めかす】
[動サ五(四)] 1 よい時勢にめぐり合ってはぶりをきかせる。「地位を得て、—・し居り候も」〈紅葉・金色夜叉〉 2 寵愛(ちょうあい)する。「帝は—・し給ふ事かぎりなし」〈宇津保・忠こそ〉