いちにち‐きょう【一日経】
《「いちにちぎょう」とも》1日のうちに書写し終えた経典。特に法華経の例が多く、大勢で分担して書写した。頓写(とんしゃ)。「手負ひのただ今落ち入るに、—書いて弔(とぶら)へ」〈平家・一一〉
いっぽん‐ぎょう【一品経】
《「いっぽんきょう」とも》 1 法華経などの写経の際、多くの人が一品ずつ分担して書写すること。 2 法華経二十八品を一品ずつ各一巻に仕立てたもの。また、その一品ずつを仏前で読誦(どくじゅ)すること。
いっぽん‐の‐ごしょどころ【一本御書所】
平安時代、流布している書物を別に1本書写して所蔵していた役所。いっぽんごしょどころ。
えんぎょう‐じ【円教寺】
兵庫県姫路市にある天台宗の寺。山号は書写山。康保3年(966)、性空(しょうくう)が開山、開基は花山天皇。盛時は天台三大道場の一。西国三十三所の第27番札所。書写寺。
おうがん‐しゃくじく【黄巻赤軸】
仏教の経巻。黄色の紙に書写し、赤色の軸を使ったのでいう。黄紙朱軸。黄巻朱軸。
おおじょうむ【大聖武】
「賢愚経」の写経の断簡。奈良時代の書写で、字が大きくて聖武天皇宸筆(しんぴつ)と伝えられるところから、この名でよばれる。古筆手鑑(てかがみ)に尊重された。
おく‐がき【奥書】
1 著作や写本などの巻末の、著者名・書写年月日・来歴などについての書き入れ。識語(しきご)。 2 官公署で、書類に記載された事項が真正であることを証明するために末尾に書く文。 3 芸能で、奥義伝...
がくきろん【楽毅論】
魏の夏侯玄が、楽毅について述べた書。王羲之(おうぎし)が書写し、楷書の法帖(ほうじょう)となっている。
きかしゅう【紀家集】
平安前期の漢詩文集。紀長谷雄著。延喜19年(919)、大江朝綱が第14巻を書写したことが知られる。
きょう‐ながし【経流し】
死者の追善、また生類の供養のため、経典を書写して川や海に流すこと。