もと‐つ【本つ】
[連語]《「つ」は「の」の意の格助詞》大本の。本来の。
もと‐つ‐くに【本つ国】
故郷。ほんごく。「妾(やっこ)、今遠く—を離れたり」〈前田本継体紀〉
もと‐なり【本生り/本成り】
植物の蔓(つる)や茎の根に近い方に実がなること。また、その実。⇔末生(うらな)り。
もと‐の‐うえ【本の上】
以前の奥方。「離れ給ひし—は、腹を切りて笑ひ給ふ」〈竹取〉
もと‐は【本葉】
草木の茎や幹に近い方にある葉。⇔末葉(うらば)。「はたすすき—もそよに秋風の吹き来る夕(よひ)に」〈万・二〇八九〉
もと‐はぎ【本矧】
矢で、篦(の)に羽の軸を接着し、桜皮・糸などを巻きつけた部分のうち、矢筈から遠い部分。下矧(したはぎ)。
もと‐はず【本弭/本筈】
弓の下端の、弦輪のかかるとがった部分。→末弭(うらはず)
もと‐びょうし【本拍子】
宮廷の御神楽(みかぐら)で、本方(もとかた)の主唱者。⇔末拍子(すえびょうし)。
もと‐ぶね【本船】
1 付属の小船に対して、それを従えている大船。親船。ほんせん。 2 沖に停泊して、はしけで陸上と連絡する大船。
もと‐へ【本辺/本方】
1 物の根もとの方。下の方。「—は君を思ひ出、末辺(すゑへ)は妹を思ひ出」〈記・中・歌謡〉 2 山の麓の方。「—にはあしび花咲き末方(すゑへ)には椿花咲く」〈万・三二二二〉