くち【朽ち/腐ち】
[語素]名詞の上に付いて用いる。 1 くさった、の意を表す。「—木」「—葉(ば)」 2 年老いた、老いぼれた、の意を表す。「—尼」「—女」
くち‐あま【朽ち尼】
老いぼれた尼。「なにがしが母なる—の侍るを」〈源・夢浮橋〉
くち‐き【朽(ち)木】
1 朽ちた木。腐った木。 2 不遇のままむなしく一生を終える人の境遇のたとえ。
くちき‐がた【朽(ち)木形】
木が腐食して、木目が残ったり浮き上がったりしているように見える文様。ふつう、白地に蘇芳(すおう)で染めつけ、几帳や壁代(かべしろ)などに用いる。朽ち木文様。
くちき‐ざ【朽(ち)木座】
仏像の台座の一。朽ちた木の根を用いて、岩の形に作ったもの。
くちき‐たおし【朽(ち)木倒し】
1 柔道の投げ技の一。相手の片足のくるぶしの上部を取って持ち上げると同時に、相手のからだを後方へ押し倒す技。 2 水泳の飛び込みの型の一。ジャンプしないで、台端に両足先をかけ、棒が倒れるように前...
朽(く)ち木(き)は柱(はしら)にならぬ
心根の腐った者に、重要な物事はまかせられないことのたとえ。
くち・す【朽ちす】
[動サ変](「朽つ」を強めた言い方で、多く打消しの語を伴って用いる)朽ちてしまう。腐ってなくなる。衰えて忘れ去られる。「絶え間のみ世にはあやふき宇治橋を—・せぬものとなほ頼めとや」〈源・浮舟〉
くち‐なわ【朽(ち)縄】
腐った縄。
くち‐のこ・る【朽(ち)残る】
[動ラ五(四)] 1 朽ちかかったまま残る。朽ちたまま残る。「—・った老杉(ろうさん)の幹」 2 朽ちないで残る。「—・る野田の入江のひとつ橋心細くも身ぞ古(ふ)りにける」〈夫木・二一〉