うきた‐の‐もり【浮田の森】
奈良県五條市の荒木神社の森。[歌枕]「かくしてやなほやなりなむ大荒木の—の標(しめ)にあらなくに」〈万・二八三九〉 [補説]のちには、京都市伏見区淀本町の与杼(よど)神社の森にもいうが、平安時代...
うき‐ね【浮き寝】
1 水鳥が水に浮いたまま寝ること。 2 人が船の中で寝ること。「波の上に—せし宵あど思(も)へか心悲しく夢(いめ)に見えつる」〈万・三六三九〉 3 心が落ち着かないで、安眠できず横になっているこ...
うき‐まくら【浮(き)枕】
1 船またはいかだの上で旅寝すること。浮き寝の枕。「杣川(そまがわ)の筏(いかだ)の床の—夏は涼しきふしどなりけり」〈詞花・夏〉 2 《涙で枕が浮く意の「浮き」に「憂き」を掛けて》独り寝のつらさ...
うきよ‐こうじ【浮世小路】
裏長屋など、浮世の縮図のような小路。また、世間、世の中の意にもたとえていう。→浮世小路(うきよしょうじ)「—の何軒目に狭苦しく暮らした時とは」〈漱石・草枕〉
うご‐つ・く【驟く】
[動カ四]《「うこづく」とも》動き揺れる。うごめく。「小升(こます)、横槌を枕として、目ばかり—・き」〈浮・二十不孝・五〉
うしろ‐で【後ろ手】
1 両手を背に回すこと。「—に縛る」 2 《「で」は方向・状態などを示す》 ㋐後ろの方向。「敵の—にまわる」 ㋑後ろ姿。「簾(す)に添ひたる—も、をかし」〈枕・二〇〇〉
うしろ・みる【後ろ見る】
[動マ上一]世話をする。面倒をみる。後見(こうけん)をする。「物知り顔に教へやうなる事言ひ—・みたる、いとにくし」〈枕・二八〉
うじ【宇治】
京都府南部の市。宇治川が流れ、奈良と結ぶ渡河地として早くから開けた。平安時代から貴族の別荘地で、源氏物語の舞台。宇治茶の産地。平等院・黄檗山(おうばくさん)万福寺などがある。古くは「菟道」とも...
うじ‐がわ【宇治川】
琵琶湖に発する瀬田川の大津市南郷より下流の称。宇治市を流れ、大山崎町で桂川・木津川と合流して淀川となる。網代(あじろ)の名所。[歌枕]「もののふの八十(やそ)—の網代木(あじろき)にいさよふ波の...
うずら‐なく【鶉鳴く】
[枕]ウズラは草深い古びた所で鳴くところから「古(ふ)る」にかかる。「—故(ふ)りにし郷(さと)ゆ思へども」〈万・七七五〉