おき‐つ‐なみ【沖つ波】
[名]沖に立つ波。「—来寄する荒磯(ありそ)をしきたへの枕とまきて寝(な)せる君かも」〈万・二二二〉
[枕]波の動く状態から「競(きほ)ふ」「頻(し)く」「高し」「立つ」「撓(とを)む」など...
おきつも‐の【沖つ藻の】
[枕]沖の藻が波になびくところから「靡(なび)く」にかかる。「—なびきし妹(いも)は」〈万・二〇七〉
おくつゆ‐の【置く露の】
[枕]露の玉が落ちかかる意から、「たま」「かかる」などにかかる。「—たまさかに訪(と)ふ人はたのまじ」〈金葉・恋上〉
おくやま‐の【奥山の】
[枕]奥山に生える意から「まき」「たつき」にかかる。「—真木の板戸を」〈万・三四六七〉 「—たつきも知らぬ」〈金槐集〉
おぐら‐やま【小倉山】
京都市右京区嵯峨にある山。保津川を隔てて嵐山(あらしやま)と対する。紅葉の名所。おぐらのやま。[歌枕]「—峰のもみぢ葉心あらばいまひとたびのみゆき待たなむ」〈拾遺・雑秋〉
おし
[感]高貴な人が通るときや天皇に膳を供するとき、先払いが発する警告の言葉。警蹕(けいひつ)の声。「警蹕など—といふ声聞こゆるも」〈枕・二三〉
おし‐い・ず【押し出づ】
[動ダ下二] 1 押して外へ出す。押し出す。「心安くも対面し給はぬを、これかれ—・でたり」〈源・東屋〉 2 出衣(いだしぎぬ)をする。押し出(い)だす。「あまた小半蔀(こはじとみ)の御簾(みす)...
おし‐いだ・す【押し出だす】
[動サ四] 1 押して外のほうへ出す。「(櫛(くし)ノ箱ノ蓋(ふた)ニ)髪の、筋、裾つきいみじう美しきを綰(わ)げ入れて—・す」〈堤・このついで〉 2 出衣(いだしぎぬ)をする。押し出す。「衣(...
おしお‐やま【小塩山】
京都市西京区大原野にある山。岩塩を産したと伝えられる。大原山。[歌枕]「暮れてゆく秋の名残を—鹿も今宵や鳴きあかすらん」〈続千載・雑上〉
おしてる【押し照る】
[枕]一面に照り光る難波(なにわ)の海の意から、地名「難波」にかかる。「—難波の国は葦垣の古(ふ)りにし里と」〈万・九二八〉