おぼし‐め・す【思し召す】
[動サ五(四)]《「おもほしめす」の音変化》「思う」の尊敬語。「おぼす」より敬意が高い。 1 お思いになる。お考えになる。「ばかなやつと—・してお許しください」 2 心を向けて、大切にお思いにな...
おぼと・る
[動ラ四]乱れ広がる。「
莢(ざうけふ)に延(は)ひ—・れる屎葛(くそかづら)絶ゆることなく宮仕へせむ」〈万・三八五五〉
[動ラ下二] 1
に同じ。「(ススキガ)冬の末まで、かしらのいとし...
おぼ‐めか・し
[形シク]《動詞「おぼめく」の形容詞化》 1 はっきり見えない。おぼろげである。「夕涼みといふほど、物のさまなども—・しきに」〈枕・二二四〉 2 記憶などが確かでない。「そのかた(=和歌ノ方面)...
おぼろ‐け
[形動ナリ] 1 (多く、あとに否定表現を伴って用いる)程度が普通であるさま。通り一遍であるさま。「歌詠むと知りたる人の—ならざらむは」〈能因本枕・九四〉 2 (あとに否定表現を伴わないで、また...
お‐まえ【御前】
[名]《「おおまえ(大前)」の音変化で、神仏・貴人の前を敬っていう。転じて、間接的に人物を表し、貴人の敬称となる》 1 神仏・貴人のおん前。おそば近く。みまえ。ごぜん。「主君の—へ進み出る」 ...
お‐まら・す
[動サ下二]《「おまいらす」の音変化》 1 与える、の意の謙譲語。差し上げる。「布施半分もそなたへ—・せうぞ」〈虎清狂・泣尼〉 2 (補助動詞)…してあげる、の意の謙譲語。「なるならばかなへて—...
おもい・う【思ひ得】
[動ア下二]考えつく。心に悟る。「四人ばかりをへだててゐたれば、よう—・えたらむにても言ひにくし」〈枕・九〇〉
おもい‐うん・ず【思ひ倦んず】
[動サ変]嫌になる。煩わしく思う。「むげにこそ—・じにしか。などさる者をば置きたる」〈枕・八三〉
おもい‐がお【思ひ顔】
1 (多く「…とおもいがお」の形で)…と思っている顔つき。「いぎたなしと—にひきゆるがしたる」〈枕・二八〉 2 恋しいと思っているような顔つき。「夜(よ)のほどもうしろめたきは花の上を—にてあか...
おもいぐま‐な・し【思ひ隈無し】
[形ク] 1 心が行き届かない。思慮分別が足りない。「—・く悪しうしたり」〈枕・一三六〉 2 相手の立場を考えない。思いやりがない。「桜ゆゑ風に心のさわぐかな—・き花と見る見る」〈源・竹河〉