歌人(かじん)は居(い)ながらにして名所(めいしょ)を知(し)る
歌人は、古歌や歌枕の研究によって、旅行をしなくても、天下の名所のようすをよく知る。
かすが【春日】
《「春日」の表記は、地名「かすが」にかかる枕詞「はるひ」を当てたもの》 奈良市およびその付近の称。特に、春日大社のあたり。
福岡県の市。福岡市の南に位置し、住宅地。自衛隊の春日原基地がある。...
かすが‐の【春日野】
奈良市、春日山の麓一帯の野原。[歌枕]「—の飛火の野守いでてみよ今いくかありて若菜つみてむ」〈古今・春上〉
か・する【嫁する】
[動サ変][文]か・す[サ変] 1 嫁に行く。とつぐ。「梅子嬢(さん)も亦た細川に—・することを喜んで居るようである」〈独歩・富岡先生〉 2 嫁にやる。とつがせる。「お勢を—・するのが厭になって...
かせ‐やま【鹿背山】
京都府木津川市にある山。布当(ふたぎ)の山。[歌枕]「見すててはかへるべしやは—の峰の紅葉のことと問はぬを」〈定頼集〉
かぜのと‐の【風の音の】
[枕]はるかな風の音の意から、「遠き」にかかる。「—遠き吾妹(わぎも)が着せし衣(きぬ)」〈万・三四五三〉
かた【方】
[名] 1 方角。方向。むき。「西の—を望む」 2 物事の方向。決着。始末。 3 時間上の方向。ころ。とき。時節。「来し—を思う」 4 《方角を示すことによって間接的に》人をさす敬った言い方。...
かたいと‐の【片糸の】
[枕]「よる」「くる」「あふ」「緒(を)」「伏し」などにかかる。「—あひ見むまでと年もへぬ」〈続後撰・恋二〉
かたおか【片岡】
京都市北区、上賀茂神社の東にある山。片岡の杜(もり)。[歌枕]「ほととぎす声待つほどは—のもりの雫(しづく)に立ちや濡れまし」〈新古今・夏〉
奈良県北葛城郡王寺町から香芝市にかけての丘陵。片...
かた‐ざま【方様】
《「かたさま」とも》 1 方向。方角。「北の陣の—に歩み行くに」〈能因本枕・二四四〉 2 方面。向き。その筋。「今は、かかる—の御調度どもをこそは、とおぼせば」〈源・賢木〉 3 味方。身内。仲間...