くう‐や【空夜】
静かな夜。さびしい夜。「深更—閑(しづ)かにして、旅寝の床の草枕」〈平家・七〉
く‐く【煦煦】
[ト・タル][文][形動タリ] 1 日の光などが暖かなさま。「—たる春日(しゅんじつ)に背中をあぶって」〈漱石・草枕〉 2 恵みを与えるさま。「自然主義の文芸は…偏えに—熙々(きき)の情趣に乏し...
くくり‐まくら【括り枕】
布帛(ふはく)で筒形に縫い合わせ、そば殻・茶殻などを入れ、両端をくくって作る枕。箱枕・木枕などと区別していう。
くくり‐もの【括り物】
くくり染め(絞り染め)にしたもの。「巻き染め、むら濃、—など染めたる」〈枕・一五九〉
くさかげ‐の【草陰の】
[枕]地名の「荒藺(あらゐ)」「安努(あの)」にかかる。「—荒藺の崎の笠島を」〈万・三一九二〉
くさか‐の‐やま【草香の山】
生駒(いこま)山の西側一帯の称。現在は東大阪市に属する。[歌枕]「うちなびく—を夕暮に我が越え来れば」〈万・一四二八〉
くさ‐の‐まくら【草の枕】
「草枕(くさまくら)」に同じ。「夜を寒み置く初霜を払ひつつ—にあまたたび寝ぬ」〈古今・羇旅〉
くさ‐まくら【草枕】
[名]《旅先で、草で仮に編んだ枕の意から》旅寝すること。旅先でのわびしい宿り。くさのまくら。「衣うつ音を聞くにぞ知られぬる里遠からぬ—とは」〈千載・秋下〉
[枕] 1 「旅」「旅寝」および同...
くさ‐むしろ【草筵】
1 藁(わら)などで作った筵。 2 筵を敷きつめたように、草が一面に生えていること。また、草を敷物とすること。「うちなびき秋きたりとや—野もせの露の玉をしくらん」〈夫木・一〇〉 3 旅先での粗末...
草(くさ)結(むす)・ぶ
1 草と草を結び合わせ、そこに霊魂をこめて、互いの心が永久に離れないように祈ったり、旅の安全・幸運などを願ったりする。「妹(いも)が門(かど)行き過ぎかねて—・ぶ風吹き解くなまたかへりみむ」〈万...