か‐がし【彼某】
[代]不定称の人代名詞。だれそれ。くれがし。多く「なにがし(何某)」と対になって用いられる。→某(それがし) →何某(なにがし)「一番にはなにがし、二番には—などいひしかど」〈大鏡・伊尹〉
かれ‐がし【彼某】
[代]三人称の人代名詞。名を知らぬ人、また、知っていても名を言わないでいう場合に用いる。多く、「それがし」と並べて用いる。だれそれ。何某(なにぼう)。「やや、庁には又何者か候、といへば、それがし...
くれ【某】
[代]不定称の人代名詞。名を知らない人、また、それとは定めない人、名をわざとぼかしていう場合などに用いる。「なにの親王(みこ)、—の源氏など数へ給ひて」〈源・少女〉 [補説]「くれがし」「なにく...
くれ‐がし【某】
[代]不定称の人代名詞。人の名をはっきり指示しないでいう語。それがし。なにがし。くれ。「—の夫人(マダム)のように気儘(きまま)ならず」〈紅葉・金色夜叉〉
それ‐がし【某】
[代] 1 不定称の指示代名詞。その名がわからない人や事物をさす。また、その名をわざとぼかしていう場合にも用いる。だれそれ。なになに。某(ぼう)。なにがし。「内大臣、右大将藤原朝臣—」〈宇津保・...
それがし‐かれがし【某彼某】
[代]不定称の人代名詞。名をはっきり示さずに二人以上をさしていう。だれかれ。「庁には又何者か候と言へば、—と言ふ」〈宇治拾遺・一四〉
たれ‐がし【誰某】
[代]「だれそれ」に同じ。「いづれの家の—とかおぼしめし候らん」〈保元・上〉
だれ‐それ【誰某】
[代]《古くは「たれそれ」》不定称の人代名詞。具体的な名をあげないで人をさしたり、名のわからないときに人をさしたりする語。なにがし。「—に聞いた話」「—とかいう人も来ていた」
なに‐がし【某/何某】
[名]数量、特に、金銭の額があまり多くないことを漠然と表す。「—かの金を寄付する」 [代] 1 不定称の指示代名詞。人・事物・場所などについて名などがはっきりしないことを表し、あるいはそれを...
なにがし‐くれがし【某某】
[代]だれそれ。なにがしそれがし。「—と数へしは頭中将の随身、その小舎人童(こどねりわらは)をなむ、しるしに言ひ侍りし」〈源・夕顔〉