あま‐だり【雨垂り】
1 あまだれ。「簷端(のきば)を繞(めぐ)る—も何と無く物凄じく」〈鉄腸・花間鶯〉 2 軒の雨だれが落ちる所。「坊主が秘蔵の水瓶を、—の石に打ち当ててうち割りて置きつ」〈沙石集・八〉
あら‐た【新田】
新しく切り開かれた田。新開墾の田。しんでん。「昔の道人、あるいは種を蒔き、—をすきしがごとし」〈沙石集・五〉
いいがい‐な・し【言ひ甲斐無し】
[形ク] 1 とりたてて言うだけの値打ちがない。つまらない。「すべては礼儀を知らず、格式をわきまへざるは—・し」〈沙石集・一〇〉 2 ふがいない。いくじがない。「—・き味方の奴ばら」〈浄・太功記...
い‐きょう【異香】
すぐれたよいかおり。いこう。「音楽空に聞こえ、—室に薫ず」〈沙石集・一〇〉
い‐こつ【医骨】
医道の心得。「この僧—もなかりければ、よろづの病に藤の瘤を煎じて召せと教へける」〈沙石集・二〉
いし‐ひじり【石聖】
俗事に心を動かされない、徳行堅固な僧。「東大寺の—経住が、我は観音の化身なりと名のれども」〈沙石集・一〉
いたいけ・す【幼気す】
[動サ変]幼くてかわいいようすをする。「実(げ)にさもと覚えてをかしく、—・したりしよし語り侍りき」〈沙石集・三〉
いとしもな・し
取り立てて言うほどでもない。「—・き人にむつばんは、よしなくこそ」〈沙石集・四〉
いろ‐ざし【色差(し)】
《「いろさし」とも》 1 色をつけること。彩色。着色。 2 顔などの色つや。色のぐあい。「御—まことにめでたく御心地よげに見えさせ給ひけるが」〈沙石集・一〉
いん‐じょ【隠所】
1 隠れる所。隠れ住む所。〈日葡〉 2 からだの隠すべき部分。「衣服等をきかゆる時、坐臥する時にも、放逸に—なんどをも蔵(かく)さず」〈正法眼蔵随聞記・三〉 3 便所。雪隠(せっちん)。厠(かわ...