水(みず)積(つ)もりて魚(うお)聚(あつ)まる
《「淮南子(えなんじ)」説山訓から》水量が豊かになると、魚が集まってくる。利益のある所に人が集まるたとえ。
目(め)に秋毫(しゅうごう)の末(すえ)を察(さっ)すれば耳(みみ)に雷霆(らいてい)の声(こえ)を聞(き)かず
《「淮南子(えなんじ)」俶真訓から》動物の毛の先ばかりを見ていると雷の激しい音が聞こえない。小さい事に心が向いていると、重大な事に気づかないというたとえ。
有声(ゆうせい)の声(こえ)は百里(ひゃくり)に過(す)ぎず無声(むせい)の声(こえ)は四海(しかい)に施(ほどこ)す
《「淮南子(えなんじ)」繆称訓から》高い声でどなっても、わずか百里に聞こえるだけだが、徳をもって治めれば黙っていてもその感化は遠くまで及ぶ。徳治主義によるほうが、世の中はよく治まるというたとえ。
両心(りょうしん)は以(もっ)て一人(いちにん)を得(う)べからず一心(いっしん)は以(もっ)て百人(ひゃくにん)を得(う)べし
《「淮南子(えなんじ)」繆称訓から》二心(ふたごころ)を抱く者はうまく立ち回っても結局は一人の支持者をも得られないが、他念のない心を守りつづける者はたくさんの味方ができる。
林中(りんちゅう)に薪(たきぎ)を売(う)らず湖上(こじょう)に魚(うお)を鬻(ひさ)がず
《「淮南子(えなんじ)」斉俗訓から》林の中で薪を売り、湖の上で魚を売っても買い求める人はいない。物が豊富にある所では人は欲しがらないので、争いも起こらないというたとえ。