すみ‐わた・る【住み渡る】
[動ラ四] 1 ずっと住みつづける。1か所に長く住む。「橘(たちばな)の林を植ゑむほととぎす常に冬まで—・るがね」〈万・一九五八〉 2 男が女のもとに通いつづける。「忠房のぬしのむすめ東の方を、...
すみ‐わた・る【澄(み)渡る】
[動ラ五(四)]空・水などが一面に曇りなく澄む。「—・った秋空」
たち‐わた・る【立ち渡る】
[動ラ四] 1 霧・雲などが、あたり一帯に広がる。「狭井河(さゐがは)よ雲—・り」〈記・中・歌謡〉 2 車や人などが一面に立ち並ぶ。「弦うち二十人…二なみに—・れり」〈紫式部日記〉 3 一方から...
卵(たまご)を渡(わた)・る
きわめて危険なことのたとえ。「乱れて歌ふ鶏の、—・るあやうさの」〈浄・歌念仏〉
手(て)に渡(わた)・る
その人の所有物となる。「母の財産はみんな阿爺(おやじ)の—・って」〈漱石・永日小品〉
てり‐わた・る【照(り)渡る】
[動ラ五(四)]光がすみずみまで照る。光が一面に照る。「満月が耿々(こうこう)と—・る」
と‐わた・る【門渡る】
[動ラ四]川・海峡・海などを渡る。「夕なぎに—・る千鳥波間より見ゆる小島の雲に消えぬる」〈新古今・冬〉
ながれ‐わた・る【流れ渡る】
[動ラ五(四)]土地から土地へと渡り歩く。「転々と諸国を—・る」
なき‐わた・る【鳴(き)渡る】
[動ラ五(四)]鳥などが鳴きながら飛んでゆく。「雁が—・る」「暁の潮満ち来れば葦辺には鶴(たづ)—・る」〈万・三六二七〉
なげき‐わた・る【嘆き渡る】
[動ラ四]長い間、ずっと嘆きつづける。嘆いて年月を過ごす。「心の闇、晴れ間なく—・り侍りしままに」〈源・松風〉