さる【然る】
[連体]《動詞「さ(然)り」の連体形から》 1 名称や内容を具体的に示さずに、人・場所・物事などを漠然とさしていう語。ある。「—人の紹介」「—子細があって」 2 (前の事柄を受けて)そのような。...
さる‐あいだ【然る間】
[接]さて。そこで。「—立願の子細ありて」〈伽・のせ猿〉 [連語]そうするうちに。そのうち。「—に、思ひはいやまさりにまさる」〈伊勢・四〇〉
さる‐かた【然る方】
[連語] 1 それ相応な人。身分ある、ある人。「—の仰せられるには」 2 そういう方面。しかるべき所。それ相応。「—にても御覧ぜさせばや、と思ひ給へし人になむ」〈源・蜻蛉〉
さる‐から【然るから】
[接]そうだから。それゆえに。「—兄長(このかみ)何故(なにゆゑ)この国に足をとどむべき」〈読・雨月・菊花の約〉
さる‐こと【然る事】
[連語] 1 そのようなこと。そういうこと。そんなこと。「—はさておき」 2 いうまでもないこと。もちろんのこと。もっともなこと。「日ごろの心がけも—ながら」 3 たいしたこと。りっぱなこと。「...
さる‐に【然るに】
[接] 1 そうこうしていると。すると。「—、十二月(しはす)ばかりに、とみのこととて御文(ふみ)あり」〈伊勢・八四〉 2 しかるに。ところが。「土石草木も霊なきはあらずと聞く。—玉川の流れには...
さる‐にて‐も【然るにても】
[連語]《動詞「さり」(ラ変)の連体形+連語「にて」+係助詞「も」》そうであっても。それにしても。それはそれとしても。「—、かかる事なむと知らせ給ひて」〈源・少女〉
さる‐は【然るは】
[接](前に述べた内容を受けて、さらに説明を加えるときに用いる) 1 それは。それというのも、実は。「いとあはれにかなしう侍るなり。—、おのれが女(むすめ)とも申さじ、いみじううつくしげに侍るな...
さる◦べし【然るべし】
[連語]《動詞「さり」の連体形+推量の助動詞「べし」》 1 ふさわしい。相応である。「—◦べき折もなくて、思ひありくほどに」〈落窪・一〉 2 そうなるのが当然である。そうなる運命である。「—◦べ...
さる‐ほど‐に【然る程に】
[接] 1 そうするうちに。やがて。「—、げに世の中に許され給ひて、都に帰り給ふと、天の下の喜びにてたち騒ぐ」〈源・蓬生〉 2 話かわって。さて。ところで。「—、鬼界(きかい)が島の流人ども」〈...