さりとて‐も【然りとても】
[連語]そうであっても。それにしても。「おのづからうときさまになりゆくを、—絶えず同じ心の変り給はぬなりけり」〈源・浮舟〉
さり‐とは【然りとは】
[接] 1 そうとは。そういうこととは。「—いっこうに気づかず失礼した」 2 (感動詞的に用いて)なんとまあ。さてさて。「—やさしく情のふかき御かた」〈浮・五人女・四〉
さり‐とも【然りとも】
[接] 1 そうであっても。それでも。「この女(め)の童は…もてわづらひ侍り。—、まかりて仰せ事給はむ」〈竹取〉 2 よもや。まさか。「—うち捨てては、え行きやらじ」〈源・桐壺〉
さり‐ながら【然り乍ら】
[接]そうではあるが。しかしながら。「そうもしたい。—現実を無視するわけにもいかない」
さり‐ぬ◦べし【然りぬべし】
[連語]《動詞「さり」(ラ変)の連用形+連語「ぬべし」》 1 そうであるはずだ。適当である。「—◦べき物やあると、いづくまでも求め給へ」〈徒然・二一五〉 2 相当である。身分がよい。「—◦べから...
さり‐や【然りや】
[感]まったくそのとおりだ。ほんに。「—、聞こし召し集めよ。日本国には唯一無二におはします」〈大鏡・道長上〉
さる【然る】
[連体]《動詞「さ(然)り」の連体形から》 1 名称や内容を具体的に示さずに、人・場所・物事などを漠然とさしていう語。ある。「—人の紹介」「—子細があって」 2 (前の事柄を受けて)そのような。...
さる‐あいだ【然る間】
[接]さて。そこで。「—立願の子細ありて」〈伽・のせ猿〉
[連語]そうするうちに。そのうち。「—に、思ひはいやまさりにまさる」〈伊勢・四〇〉
さる‐かた【然る方】
[連語] 1 それ相応な人。身分ある、ある人。「—の仰せられるには」 2 そういう方面。しかるべき所。それ相応。「—にても御覧ぜさせばや、と思ひ給へし人になむ」〈源・蜻蛉〉
さる‐から【然るから】
[接]そうだから。それゆえに。「—兄長(このかみ)何故(なにゆゑ)この国に足をとどむべき」〈読・雨月・菊花の約〉