ゆう‐ぜん【湧然/涌然】
[ト・タル][文][形動タリ]わき出るさま。盛んにわき起こるさま。「黄金色の紅が—として輝いた」〈倉田・愛と認識との出発〉
ゆう‐ぜん【融然】
[ト・タル][文][形動タリ]気分がのどかで、和らいでいるさま。「—として心に浸む」〈蘆花・自然と人生〉
よう‐ぜん【杳然】
[ト・タル][文][形動タリ]はるかに遠いさま。また、深くかすかなさま。「今書いた真を今載せて—と去るを思わぬが世の常である」〈漱石・虞美人草〉
よう‐ぜん【窅然】
[形動タリ]奥深くて遠いさま。また、物思いに深く沈んでいるさま。「その気色—として、美人の顔(かんばせ)をよそほふ」〈奥の細道〉
よう‐ぜん【窈然】
[ト・タル][文][形動タリ]奥深くて、はるかなさま。また、奥深くて、かすかなさま。「—たる空の中(うち)に取り留めのつかぬ鳶色の影が残る」〈漱石・カーライル博物館〉
らん‐ぜん【爛然】
[ト・タル][文][形動タリ]鮮やかにかがやくさま。「五彩—人をして其の宏麗荘厳に愕かしむ」〈柳北・航西日乗〉
りつ‐ぜん【慄然】
[ト・タル][文][形動タリ]恐れおののくさま。恐ろしさにぞっとするさま。「もし火事になっていたらと—とする」
理(り)の当然(とうぜん)
理屈からいってあたりまえのこと。「努力しなかったのだから、こうなったのも—だ」
りゅう‐ぜん【隆然】
[ト・タル][文][形動タリ]高く隆起しているさま。「其平地が…十七里向うへ行って又—と起き上って」〈漱石・草枕〉
りょう‐ぜん【了然】
[ト・タル][文][形動タリ]はっきりとよくわかるさま。判然。「人間日常の情偽をして読者の心胸に—として」〈逍遥・小説神髄〉