や‐ぶ【野巫】
田舎の巫医(ふい)。一つの術にしか通じていない者のこと。物知らずで学行の劣っている禅の修行者にたとえてもいう。
やぶ‐いり【藪入り】
[名](スル)《草深い田舎に帰る意から》正月と盆の16日前後に奉公人が主人から休暇をもらって、親もとなどに帰ること。また、その時期。特に正月のものをいい、盆のものは「後(のち)の藪入り」ともいう...
やま‐さん【山様】
1 江戸の下谷(したや)・品川の遊里で、上野寛永寺や芝の増上寺の坊主客のこと。「—といふは品川初会なり」〈柳多留・八〉 2 《山出しの侍の意から》江戸の遊里で田舎侍の客のこと。「侍客の—なら、ぬ...
やまざと・ぶ【山里ぶ】
[動バ上二]《「ぶ」は接尾語》山里のようである。田舎じみる。「—・びたる網代(あじろ)屏風などの、ことさらに事そぎて」〈源・椎本〉
やま‐ざる【山猿】
1 山にすんでいる野生の猿。野猿(やえん)。 2 山に住む人や田舎者を、礼儀作法を知らない者としてあざけっていう語。
やま‐だし【山出し】
1 山から材木・薪・炭などを運び出すこと。また、その運び出したものや運び出す人足。 2 田舎の出身であること。田舎から出てきたままで洗練されていないようす。「—の田舎者」
やり‐か・ける【遣り掛ける】
[動カ下一][文]やりか・く[カ下二] 1 あることをしはじめる。また、しはじめようとする。「—・けたままの仕事」 2 こちらからはたらきかける。しむける。「男より—・くる事、初心者や田舎者のす...
や‐ろう【野老】
1 田舎の老人。老人が自分をへりくだっていう語。村翁。 2 ヤマノイモ科の多年草トコロの別名。
ゆうしほうげん【遊子方言】
江戸中期の洒落本。1冊。田舎老人多田爺(いなかろうじんただのじじい)作。明和7年(1770)ごろ刊。江戸吉原で通人ぶった男が振られ、うぶな初心者がもてる話。のちの洒落本の原型となったもの。
ゆう‐でく
《「ゆう」は「遊」かともいう。「でく」は土偶の意》田舎者。近世中期、江戸深川の遊里の通言。「金なきものは—頓直(とんちき)となる」〈黄・栄花夢〉