ただ‐か【直香/直処】
語義未詳。その人自身、そのもの自体の意か。一説に、その人のけはいやようすの意ともいう。「聞かずして黙(もだ)もあらましをなにしかも君が—を人の告げつる」〈万・三三〇四〉
ただ‐こえ【直越え】
まっすぐに越えること。「—のこの道にてし押し照るや」〈万・九七七〉
ただ‐さ・す【直差す】
[動サ四]日光が直接照らす。直射する。「朝日の—・す国、夕日の日照る国なり」〈記・上〉
ただ‐じ【直路/直道】
《古くは「ただち」》 1 目的の所へまっすぐ行く道。「妹に逢はむと—から我は来つれど」〈万・二六一八〉 2 物事の正しい筋道や、なりゆき。「しかと—はしらねども」〈浄・花洛受法記〉
ただち‐に【直ちに】
[副] 1 間に何も置かないで接しているさま。直接。じかに。「窓は—通りに面している」「その方法が—成功につながるとは限らない」 2 時間を置かずに行動を起こすさま。すぐ。「通報を受ければ—出動する」
ただ‐なか【直中/只中】
1 まん中。「大海の—に浮かぶ島」 2 まっ最中。まっ盛り。「暴風雨の—に外出する」 3 その代表。随一のもの。「当世女の—、広い京にもまたあるべからず」〈浮・五人女・三〉
ただ‐はて【直泊て】
まっすぐ目的地へ行って泊まること。「大伴の三津(みつ)の浜辺に—にみ舟は泊(は)てむ」〈万・八九四〉
ただ‐びと【徒人/直人/只人】
《古くは「ただひと」》 1 普通の人。常人。凡人。「げに—にはあらざりけりとおぼして」〈竹取〉 2 天皇や皇族に対して、臣下の人。「二条の后のまだ帝にも仕うまつり給はで、—にておはしましける時」...
ただ‐み【直身/正身】
本人自身。「家人の斎(いは)ひ待たねか—かも過ちしけむ」〈万・三六八八〉
ただ‐むか・う【直向かふ】
[動ハ四]まっすぐに向く。じかに向き合っている。「御食(みけ)向かふ淡路の島に—・ふ敏馬(みぬめ)の浦の」〈万・九四六〉