たび‐いし【礫】
《「たび」は粒の意か》小さい丸い石。小石。つぶて。「鷺を見て—塊(つちくれ)を拾ひ集めて擲(な)げ打つに」〈霊異記・中〉
たぶて【礫】
小石。つぶて。「—にも投げ越しつべき天の川隔てればかもあまたすべなき」〈万・一五二二〉
だんそう‐かくれき【断層角礫】
断層の形成に伴い、岩石が破砕されて生じた角張った礫岩。
つぶて【飛礫/礫】
小石を投げること。また、その小石。「—をうつ」「梨(なし)の—」「紙—」
てんぐ‐つぶて【天狗礫】
山中で、どこからともなく飛んでくるつぶて。
梨(なし)の礫(つぶて)
投げられた礫のように、便りをやったのに返事のないこと。「梨」は「無し」に掛けたもの。「いくら使いをやっても—だ」
ひと‐つぶて【人礫】
人を小石のように軽々と投げること。「宙にさしあげたれども、—に打つまではさすが叶(かな)はず」〈太平記・三三〉
むかい‐つぶて【向(か)い礫】
小石や土を投げ合う子供の遊戯。石合戦。
闇夜(やみよ)の礫(つぶて)
「闇夜の鉄砲」に同じ。
ゆき‐つぶて【雪礫】
雪をこぶし大に握り固めて、つぶてのようにしたもの。雪合戦などで投げる。《季 冬》「靴紐を結ぶ間も来る—/汀女」