いん‐しん【陰森】
［ト・タル］［文］［形動タリ］ １ 樹木が生い茂って暗いさま。「—として、日を蔽う森の梢を仰ぎ見て」〈魯庵・社会百面相〉 ２ 薄暗くてもの寂しいさま。「さらぬだに—たる夜色は益す冥(くら)く」〈...
いんしん‐ふつう【音信不通】
「おんしんふつう」に同じ。「僅の行違から—の間になつて」〈紅葉・金色夜叉〉
うえ‐つ‐かた【上つ方】
《「うえつがた」とも》身分や官位の高い人。貴人。「—の前へ出るのに、白粉(おしろい)を傅(つ)けないのは、此上もない失礼だよ」〈紅葉・二人女房〉
うけわし‐げ【祈はしげ】
［形動ナリ］いかにものろわしいようなさま。「弘徽殿(こうきでん)などの—にのたまふ」〈源・紅葉賀〉
嘘(うそ)にも
１ たとえ本心ではなくてもという気持ちを表す。「—済まないという言葉ぐらい言ってもいいではないか」 ２ （下に打消しの語を伴う）打消しを強める。決して。まるで。かりにも。「お島が惚れていようとは...
うち‐うち【内内】
［名］ １ 表立てないこと。内輪(うちわ)。ないない。「—で式をすます」 ２ 家の中。「—のしつらひには」〈竹取〉 ３ 心のうち。「—のありさまは知り給はず」〈源・紅葉賀〉 
［副］表立たずに...
うち‐なお・す【打（ち）直す】
［動サ五（四）］ １ 改めてもう一度打つ。「タイプを—・す」 ２ 打ったりたたいたりして、もとのようにする。うちかえす。「布団の綿を—・す」 ３ もとのようにきちんと直す。「詠果てて袖—・し給へ...
うち‐わたり【内辺】
１ 内裏(だいり)。禁裏。宮中。「—などにて、はかなく見給ひけむ人を」〈源・紅葉賀〉 ２ 帝。天皇。「かくつれなきものから、—にも聞こし召して」〈源・総角〉
うつつ‐ごころ【現心】
１ 《夢うつつの心の意から》夢見るような気持ち。うつろな心。「はや七分の正気を失って、何(どこ)が何(なに)やら一向—で」〈紅葉・二人女房〉 ２ しっかりした気持ち。正気。「肝魂も消え果て—なし...
うつのや‐とうげ【宇津ノ谷峠】
静岡市、宇津の山の峠。東海道の丸子(まりこ)と岡部宿との間に位置し、難所として知られた。伊勢物語や黙阿弥の「蔦紅葉(つたもみじ)宇都谷峠」で有名。
