おび‐とり【帯取り】
太刀の鞘(さや)の足金物(あしかなもの)と、腰に巻く佩(は)き緒(お)とをつなぐひも。飾り太刀・細太刀は紫革または藍革、野太刀は燻(ふす)べ革・白革などを用いる。
おぼえ‐な・し【覚え無し】
[形ク]思いがけない。心当たりがない。「扇を鳴らし給へば、—・き心地すべかめれど」〈源・若紫〉
おもい‐おき・つ【思ひ掟つ】
[動タ下二]あらかじめ、どのように取り計らうかを心に決める。「この—・つる宿世(すくせ)たがはば、海に入りね」〈源・若紫〉
おもい‐おと・す【思ひ貶す】
[動サ四]見下げる。さげすむ。「我をいかにおもなく心浅きものと—・すらむ」〈紫式部日記〉
おもい‐な・す【思い做す】
[動サ五(四)] 1 …のように心に受け取る。思い込む。「センチメンタルな彼を一個超人のようなと—・している友だちさえあった」〈佐藤春夫・都会の憂鬱〉 2 推定して、それと決める。「おのづから、...
おもい‐のこ・す【思い残す】
[動サ五(四)] 1 未練を残す。心残りに感じる。「—・すことはない」 2 物思いをしつくさないで残す。感興を味わい残す。「かかる所に住む人、心に—・すことはあらじかし」〈源・若紫〉
おもい‐はばか・る【思ひ憚る】
[動ラ四]気がねする。心配する。「忍びたる御歩きに、いかがと—・りてなむ」〈源・若紫〉
おもだか‐おどし【沢瀉威】
鎧(よろい)の威の一。オモダカの葉の形に似せて上を狭く、裾開きに、周囲の色と変えておどす。周囲の地色から紫地沢瀉威、萌葱(もえぎ)地沢瀉威などという。
お‐もと【御許】
[名] 1 女性が使う脇付(わきづけ)の一。おんもと。 2 御座所。また、貴人のおそば。「—にさぶらふ人の中に、内侍仕うまつるべき人はありや」〈宇津保・内侍督〉 3 「御許人(おもとびと)」の...
おも‐な・し【面無し】
[形ク] 1 合わせる顔がない。恥ずかしい。面目ない。「はしたなかるべきやつれを—・く御覧じとがめられぬべきさまなれば」〈源・橋姫〉 2 遠慮がない。厚かましい。「われをいかに—・く心浅きものと...