ひと‐きざみ【一刻み】
1 一回きざむこと。 2 一階級。「いま—の位をだにと贈らせ給ふなりけり」〈源・桐壺〉 3 第一級。第一位。「御前の御遊びなどに、—に選ばるる人々」〈源・若菜下〉
ひと‐きわ【一際】
[副] 1 他と比べて特に目立っているさま。一段と。「—高くそびえる山」「—声が大きい」 2 区別せず、ひとまとめに扱うさま。「世の中はいと常なきものを—に思ひ定めて」〈源・若菜下〉 [名]...
ひと‐ところ【一所/一処】
1 一つの所。同じ場所。ひとつところ。「—に落ち着けない性分」 2 「ひとり」を敬っていう語。おひとり。おひとかた。「兵部卿の宮、なほ—のみおはして」〈源・若菜下〉
ひと‐ふし【一節】
1 竹・木・草などの一つの節。 2 音楽などのひと区切り。1曲。また、一節(いっせつ)。「さわりを—聞かせる」 3 一つの特有の点。ひとかど。「—あはれともをかしとも聞きおきつるものは」〈枕・四...
ひら‐ばり【平張り】
棟を設けず、布帛(ふはく)を平らに張って屋根としたもの。また、その形式の仮屋。「舞台の左右に楽人の—打ちて」〈源・若菜上〉
ひんがし‐おもて【東面】
東に向いた方。東側。また、東側の部屋。ひがしおもて。「御帳の—の御座(おまし)の端に据ゑつ」〈源・若菜下〉
ふくじ‐の‐その【福地の園】
《「ふくじ」は「ふくち」とも》福徳の生じる園。極楽。「—に種まきて、とやうなりし一言をうち頼みて」〈源・若菜上〉
ふた‐すじ【二筋】
1 二つの筋。2本。「—の糸」 2 ふたまたをかけること。「いとよく—に心づかひはし給ひけれ」〈源・若菜下〉
ふんじ‐こ・む【封じ込む】
[動マ下二]《「ふうじこむ」の音変化》封(ふう)じ込める。「懸想人(けさうびと)の長歌詠みて—・めたる心地こそすれ」〈源・若菜上〉
へだて‐がま・し【隔てがまし】
[形シク]いかにも打ち解けないようすである。「たはぶれにても、かやうに—・しき事」〈源・若菜上〉