かた‐つ‐かた【片つ方】
1 二つあるものの一方。片一方。「御手—をばひろげたるやうに」〈更級〉 2 もう一つの方。他方。「甲斐ある御事を見奉り喜ぶものから、—には、覚束(おぼつか)なく悲しきことのうち添ひて絶えぬを」〈...
かた‐ぬ・ぐ【肩脱ぐ】
[動ガ四] 1 上着を半ば脱いで下着の肩を現す。「上達部(かんだちめ)は—・ぎており給ふ」〈源・若菜下〉 2 上半身の衣服を脱いで肌をあらわにする。肌脱ぎになる。「年老いたる法師召し出されて、黒...
かたわら‐な・し【傍ら無し】
[形ク]肩を並べる者がない。「人柄も—・きやうに」〈源・若菜上〉
かち‐ゆみ【歩射/徒弓】
徒歩で弓を射ること。また、その弓。歩射(ぶしゃ)。→騎射(うまゆみ)「—のすぐれたる上手どもありければ」〈源・若菜下〉
かな‐ぶみ【仮名文】
仮名で書いた文章や手紙。かなぶん。⇔真名文(まなぶみ)。「—見給ふるは、目の暇(いとま)いりて、念仏も懈怠(けだい)するやうに益(やく)なうてなむ」〈源・若菜上〉
か◦めり
[連語]《連語「かんめり」の撥音の無表記》断定を避けて婉曲(えんきょく)に表現する意を表す。…であるようだ。「憎げにおし立ちたることなどはあるまじ—◦めりと思すものから」〈源・若菜上〉
から‐ねこ【唐猫】
中国から渡来した猫。舶来の猫。また、単に猫。「—の、いと小さく、をかしげなるを」〈源・若菜上〉
から‐もの【乾物/干物】
ひもの。かんぶつ。「さるべき—ばかりして、御土器(かはらけ)参る」〈源・若菜上〉
かろがろ‐し・い【軽軽しい】
[形][文]かろがろ・し[シク] 1 「かるがるしい1」に同じ。「彼は…—・く立ちあがろうとはしなかった」〈山本有三・生きとし生けるもの〉 2 「かるがるしい2」に同じ。「中納言などは、年若く—...
かろ・む【軽む】
[動マ四]軽くなる。「この罪の—・むばかりのわざをせさせ給へ」〈源・若菜下〉 [動マ下二] 1 軽くする。「我にその罪を—・めて許し給へ」〈源・賢木〉 2 軽んじる。あなどる。「独り身なる者...