かん【長官】
「かみ(長官)」の音変化。「大将も—の君もみなおり給ひて」〈源・若菜上〉
きえ‐のこ・る【消え残る】
[動ラ五(四)] 1 すっかり消えてしまわないで、一部が残る。「山かげに—・った雪」 2 生き残る。「女君—・りたるいとほしみに」〈源・若菜下〉
きき‐おと・す【聞(き)落(と)す】
[動サ五(四)] 1 聞くべきことをうっかりして聞かないでしまう。聞き漏らす。「相手の名を—・す」 2 聞いて心の中で相手を軽蔑する。「あへなく淡つけきやうにや—・し給ひけむ」〈源・若菜下〉
きしろ・う【軋ろふ】
[動ハ四]《動詞「きしる」の未然形に上代の反復・継続の助動詞「ふ」の付いた「きしらふ」の音変化》争う。せりあう。「人と—・ひそねむ心つかひ給ふな」〈源・若菜下〉
きみ【君/公】
[名] 1 一国の君主。天皇。天子。 2 自分が仕えている人。主君。主人。「わが—」 3 人を敬慕・親愛の情をこめていう語。「いとしの—」 4 人名・官名などの下に添えて敬意を表す語。男女とも...
きわ‐ぎわ【際際】
1 人それぞれの分際。「人の—おぼしわきまへつつ」〈源・若菜上〉 2 季節の終わり。特に、盆・暮れなどの、商家の決算期。「正月前の—に旦那(だんな)殿は外が内」〈浄・重井筒〉
きわ‐な・し【際無し】
[形ク] 1 限りがない。果てしない。「才(ざえ)といふもの、いづれも—・くおぼえつつ」〈源・若菜下〉 2 限りなくすばらしい。「仮名(かむな)のみなむ、今の世はいと—・くなりたる」〈源・梅枝〉
くすり‐の‐こと【薬の事】
病気。「朱雀院(すざくゐん)の御—、なほ平らぎはて給はぬにより」〈源・若菜上〉
くだり【領/襲】
[接尾]助数詞。衣装や幕・蚊帳などを数えるのに用いる。そろい。「宮の御装束一—かづけ奉り給ふ」〈源・若菜下〉
くち‐おし・い【口惜しい】
[形][文]くちを・し[シク] 1 思うようにいかなかったり大切なものを失ったりして残念に思うさま。また、いまいましく思うさま。くやしい。「こんな結果になるなんて—・いことだ」 2 対象が期待外...