えどはんじょうき【江戸繁昌記】
江戸後期の地誌。5編5冊。寺門静軒著。天保3〜7年(1832〜36)刊。相撲・吉原など、江戸市中の繁栄を記したもの。作者の皮肉な目と批判精神により、天保改革では風俗を乱したとの理由で発禁。
えどめいしょき【江戸名所記】
江戸の絵入り地誌で最古のもの。7巻。著者は浅井了意。寛文2年(1662)刊。江戸を代表する名所・神社・仏閣などについて、その沿革や伝説・縁起などを記す。
え‐にっき【絵日記】
日々の出来事を絵に書き、文章を添えた日記。
えほんたいこうき【絵本太功記】
浄瑠璃。時代物。13段。近松柳・近松湖水軒・近松千葉軒の合作。寛政11年(1799)初演。「絵本太閤記」などをもとにしたもので、10段目「尼ヶ崎」(通称「太十(たいじゅう)」)が有名。太功記。
えほんたいこうき【絵本太閤記】
読本。7編84冊。寛政9〜享和2年(1797〜1802)刊。武内確斎著とされ、岡田玉山画。豊臣秀吉の一代記。太閤記物の流布書に精細な挿絵を入れたもの。禁令に触れ、文化元年(1804)絶版を命ぜられた。
えんじゅあんざっき【円珠庵雑記】
江戸時代の随筆。2巻。契沖(けいちゅう)著。元禄12年(1699)成立、文化9年(1812)刊。古語の考証や解釈を中心としたもの。円珠庵は契沖の住んでいた庵の名。続編に「円珠庵雑雑記」がある。
おいにっき【笈日記】
江戸中期の俳書。3冊。各務支考(かがみしこう)編。元禄8年(1695)成立。東海・近畿の蕉門の発句700余句などを収めるが、特に芭蕉終焉(しゅうえん)の記事に詳しい。
おうかんのき【往還の記】
竹西寛子による古典文学評論。副題「日本の古典に思う」。昭和39年(1964)発表。同年、第4回田村俊子賞受賞。
おもいでのき【思出の記】
徳冨蘆花の自伝的小説。明治33〜34年(1900〜1901)に発表。作者自身の生活体験に基づいた教養小説であり、同時に明治の時代精神を描く。
おゆどののうえのにっき【御湯殿上日記】
清涼殿の御湯殿の上の間に奉仕する代々の女官がつけた仮名書きの日記。文明9年(1477)から貞享4年(1687)のものが伝存。宮中儀式や女房詞などを知るうえで貴重な史料。