うべ◦なり【宜なり】
[連語]《「なり」は断定の助動詞》なるほどと納得するさま。もっともである。道理だ。「—◦なりけりや。あなうとまし」〈源・野分〉
えい‐れい【英霊】
1 死者、特に、戦死者の霊を敬っていう語。 2 《英華秀霊の気の集まっている人の意》才能のある人。英才。「—の俊児」〈漱石・野分〉
おう‐か【謳歌】
[名](スル) 1 声を合わせて歌うこと。また、その歌。「或は之を諷詠し、或は之を—し」〈柳河春三編・万国新話〉 2 声をそろえて褒めたたえること。「世は名門を—する、世は富豪を—する」〈漱石・...
おとど【大殿/大臣】
《「おおとの」の音変化か》 1 貴人の邸宅の敬称。御殿(ごてん)。「—の瓦さへ残るまじく吹き散らすに」〈源・野分〉 2 貴人や、大臣(だいじん)・公卿(くぎょう)などの敬称。「さぶらひ給ふ右大将...
おもい‐よそ・う【思ひ寄そふ/思ひ準ふ】
[動ハ下二]他に引き比べて考える。「木高き木より咲きかかりて、風になびきたる匂ひは、かくぞあるかし、と—・へらる」〈源・野分〉
おもい‐わ・く【思ひ分く】
[動カ四]物事を理解し判断をする。分別する。「さばかりの色も—・かざりけりや」〈源・野分〉 [動カ下二]に同じ。「とりどりに—・けつつ、ものいひたはぶるるも」〈堤・ほどほどの懸想〉
おんな・し【女し】
[形シク]いかにも女らしい。「いとおほどかに—・しきものから、気色づきてぞおはするや」〈源・野分〉
かく‐えき【赫奕】
[名・形動]物事が盛んなこと。また、そのさま。「大地の層土上に写出したる—なる史詩に至ては」〈尺振八訳・斯氏教育論〉 [ト・タル][文][形動タリ]光り輝くさま。かくやく。「太陽は無慈悲にも...
がく‐どう【楽堂】
聴衆を集めて音楽を演奏するための建物。音楽堂。「—の入口を這入ると」〈漱石・野分〉
くさ‐ぶし【草臥し】
1 鹿などが草の上に寝ること。また、その場所。「野分(のわき)せし小野の—あれはてて深山に深きさを鹿の声」〈新古今・秋下〉 2 山野に野宿すること。旅寝。「旅衣野ぢの—寒けきに風も同じく夕ゐせよ...