の‐づかさ【野阜/野司】
野原の中で小高くなっている所。野にある丘。「あしひきの山谷越えて—に今は鳴くらむ鶯(うぐひす)の声」〈万・三九一五〉 [補説]書名別項。→野づかさ
の‐づら【野面】
1 野のおもて。野原。「—を渡る風」 2 山から切り出したままで加工してない石の表面。また、その石。 3 恥を知らない、あつかましい顔。鉄面皮(てつめんぴ)。「此処等から一番—で遣(やっ)つけよ...
の‐どおみ【野遠見】
歌舞伎の大道具で、舞台の背景に使われる書き割りのうち、野原の景色を描いたもの。→遠見
の‐なか【野中】
野原の中。「—の一軒家」
の‐はなしょうぶ【野花菖蒲】
アヤメ科の多年草。山地や野原に生える。高さ約1メートル。葉は剣状。6月ごろ開花し、花は基部に黄色い斑をもつ外花被3枚と、小さくて直立する内花被3枚とからなり、ともに赤紫色。ハナショウブの原種。
の‐び【野火】
1 春の初めに野原などの枯れ草を焼く火。野焼きの火。《季 春》 2 野山の不審火。また、野の火事。「—焔(ほのほ)盛りにして」〈太平記・二五〉 [補説]書名別項。→野火
の‐べ【野辺】
《古くは「のへ」》 1 野のあたり。野原。「—に咲く草花」 2 火葬場。また、埋葬地。
の‐も‐せ【野面】
《野も狭いほどにの意を表す「野も狭(せ)に」の「野も狭」を一語とみなしたところから》野原一面。また、野のおもて。のづら。「よられつる—の草のかげろひて涼しくくもる夕立の空」〈新古今・夏〉
の‐ら【野良】
《「ら」は接尾語。「良」は当て字》 1 野。野原。「最寄の灌木の間や—などを猟(あさり)尽して」〈二葉亭訳・めぐりあひ〉 2 田や畑。「—仕事」
はぎのはな‐ずり【萩の花摺り】
萩の花を布地に摺りつけて染めること。また、その布。また、萩の咲いている野原を行って、衣服が萩の花の色に染まることともいう。「わが衣(きぬ)は野原篠原—や」〈催馬楽・更衣〉