ぬき‐い・ず【抜き出づ】
[動ダ下二] 1 ㋐現れ出る。「御寺のかたはら近き林に—・でたる筍(たかうな)」〈源・横笛〉 ㋑ひいでる。ぬきんでる。「容貌のすぐれたるにも百千の中に—・でたると」〈色道大鏡・一〉 2 ㋐抜いて...
ぬき‐ぐし【抜き櫛/抽き櫛】
1 頭髪の飾りにさす櫛。さしぐし。「刀ならびに—等を嬰児に授く」〈吾妻鏡・七〉 2 髪を強く櫛ですくこと。また、その櫛。「—に引っ立てられる病み上り」〈柳多留・二〉
ぬさ【幣】
1 祈願をし、または、罪・けがれを払うため神前に供える幣帛(へいはく)。紙・麻・木綿(ゆう)などを使う。みてぐら。御幣(ごへい)。幣帛。 2 旅の無事を祈って贈るもの。はなむけ。「さて東に帰り下...
ぬ‐ばかり
[連語] 《打消しの助動詞「ず」の連体形+副助詞「ばかり」》動詞の未然形に付く。…ないだけ。…ないほど。「桜花折りて見しにも変はらぬに散ら—ぞしるしなりける」〈新古今・雑上〉 《完了の助動詞...
ぬめり‐もの【滑り者】
浮かれ歩く者。遊蕩(ゆうとう)する者。「ぬれ者といふ時は—の心に通ふ」〈色道大鏡・一〉
ぬれ‐ぬれ
[副] 1 水に濡れるさま。また、濡れたようにつややかなさま。「色のまだ—と紅な、お千世の唇を放して」〈鏡花・日本橋〉 2 粘液状のものがついているさま。「くだんの馬の足に土つきて、—とある事た...
ね‐ごころ【寝心】
「寝心地」に同じ。「ああ、—の好(い)い思いをしたのは、その晩切(きり)さ」〈鏡花・歌行灯〉
ねじ‐む・く【捩じ向く/捻じ向く】
[動カ五(四)]体をねじってある方向に向く。「屋台のうしろに腰かけたまま、—・いて通(とおり)を見た」〈鏡花・玄武朱雀〉 [動カ下二]「ねじむける」の文語形。
ね‐ぶか・い【根深い】
[形][文]ねぶか・し[ク] 1 根が深く入っている。「—・くて抜きにくい草」 2 原因や根拠などが深いところにある。「—・い不信感」 3 しつこい。執念深い。「—・く問うに包みおおせず」〈鏡花...
ねめ‐まわ・す【睨め回す】
[動サ五(四)]にらみ回す。「其処等(そこいら)じろじろと—・して」〈鏡花・歌行灯〉