くもい‐なす【雲居なす】
[枕] 1 雲のかかる遠くの意から、「遠く」にかかる。「隼人(はやひと)の薩摩(さつま)の瀬戸を—遠くも我は今日見つるかも」〈万・二四八〉 2 雲のように揺れ動く心の意から、「心」にかかる。「—...
くもいのかり【雲井の雁】
源氏物語中の女性。頭の中将の娘。光源氏の子夕霧の妻となる。
くもいのきょく【雲井の曲】
箏曲(そうきょく)の組歌の一。八橋検校作曲。慶安年間(1648〜1652)成立。曲名の由来には、歌詞に「雲井に響く鳴神の」とあるからという説と、調弦が雲井調子であるからという説とがある。
くもい‐の‐さくら【雲居の桜】
1 宮中にある桜。 2 吉野山世尊寺の近くにあったという桜。
くもい‐の‐そら【雲居の空】
1 雲のある大空。「はかなくて煙となりし人により—の睦(むつま)じきかな」〈和泉式部集・上〉 2 遠く離れた所。また、宮中。「君は三笠の山高み—にまじりつつ」〈増鏡・おどろの下〉
くもい‐の‐よそ【雲居の余所】
遠く離れている所。はるかに隔たった所。「限りなき—に別るとも人を心に遅らさむやは」〈古今・離別〉
くもい‐はるか【雲居遥か】
[連語] 1 非常に遠く離れているさま。「ちはやぶる神にもあらぬ我が仲の—になりもゆくかな」〈後撰・恋六〉 2 及びもつかないさま。「逢ふことは—になるかみの音に聞きつつ恋ひわたるかな」〈古今・...
くもいろうさい【雲井弄斎】
箏曲(そうきょく)の一。八橋検校作曲。江戸初期の流行歌の弄斎節を、箏の雲井調子に移したもの。
上方唄。佐山検校作曲。三味線の手事物(てごともの)。
くも‐かすみ【雲霞】
1 雲と霞。 2 「雲を霞(かすみ)と」に同じ。 3 軍勢などの多いこと。うんか。「既に、東武士ども、—の勢ひをたなびき上る由聞こゆれば」〈増鏡・むら時雨〉
雲霞(くもかすみ)とな・る
火葬にされる。雲霧となる。「—・らせ給ふもげにいみじき事なれど」〈栄花・峰の月〉